最近では芸人もさまざまなカテゴリーにジャンル分けされるようになった。「家電芸人」「ひな壇芸人」そして「じゃない芸人」というものもある。1月7日放送された「アメトーク」ではその「じゃない芸人」の知名度調査が行われた。昨年末に収録されたものなので実質2009年度の総決算とも言える内容だ。
コンビやトリオなどピンじゃない芸人の場合に、目立たず名前も覚えられない・・・そんなちょっと辛いジャンルに分けられるのが「○○じゃない方芸人」なのだ。今回放送されたアメトークには次の芸人たちが揃った。
川田弘樹、博多大吉、福田薫、松田洋昌
鈴木拓、佐藤満春、小林優介、谷田部俊
亘健太郎、土屋伸之、向健太郎、安田利博・・・
司会の宮迫博之がまず、「お客さんの中には誰だか分かってない方もいると思いますが」と説明した。確かに、観客席ではお互いに「あれ、誰だっけ?」と確認し合う風景が目立った。
「ガレッジセールの『ゴリじゃない方』川田弘樹です」
「博多華丸・大吉の『アタックチャンスじゃない方』博多大吉です」
「U字工事の『ごめんねごめんねじゃない方』福田薫です」
「ハイキングウォーキングの『卑弥呼様じゃない方』松田洋昌です」
「ドランクドラゴンの『塚地じゃない方』の鈴木拓です」
「どきどきキャンプの『ジャックバウアーじゃない方』佐藤満春です」
「響の『デブじゃない方』小林優介です」
「我が家の『「言わせねぇよ」とイケメンじゃない方』谷田部俊です」
「フルーツポンチの『村上じゃない方』亘健太郎です」
「ナイツの『ヤホーじゃない方』土屋伸之です」
「天津の『エロ詩吟じゃない方』向清太郎です」
「デンジャラスの『オバマじゃない方』安田和博です」
と、それぞれ自己紹介してようやく
「あーーーっ」と客席から納得の声があがったのである。
それぞれにエピソードを紹介してくれたが、中でも笑うに笑えないのが天津、向清太郎の話だろう。木村と2人で漫才をやってエロ詩吟のネタで木村だけが着替えの為に、袖に下がった。すると向が舞台にいるにもかかわらず、照明が消されて暗転したのだ。
「『俺、おるよ!』って舞台で初めて言いましたね!」
と向は淡々と話した。
もうひとつある。
営業でプリキュアショーの後で漫才をやることになっていた。ショーが終わって木村と2人でステージに駆け足で向かうと
「もう、ショーは終わりましたから」
と向だけが警備員に制されたのだ。
「完全にプリキュア目当てのオタクと勘違いされた」
とこれまた淡々と話した。
しかし、こうしたエピソードがある向などはまだ認知度があるほうなのだ。それは「知名度チェック」で明らかになった。調査は、街角で100人にコンビ名と写真を見せて、個人の名前が分かるかを答えてもらうという方法をとった。
その結果最も知名度があったのは
川田の78名だった。ついで鈴木の53名。
後は博多大吉11名、谷田部9名、向7名、亘、土屋6名・・・
この調査で唯一0人だったのが佐藤満春だった。ここで、佐藤満春と聞いて「どきどきキャンプ」のジャックバウアーじゃない方と分かったあなたはお笑い通だ。彼は、確かに目立たないキャラなのである。
しかし、「○○じゃない方芸人」のジャンルができて彼も「KING OF じゃない方」の称号を得ることが出来たのだ。なんでも一番をとるのは容易なことではないのである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)