長期連載の人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」が実写ドラマ化され、主演は香取慎吾ということもあり話題となった。正直なところ前評判ほどの盛り上がりは無いと感じるが、実はこの「こち亀」、実写化はこれが初めてではなかったのだ。なんと今からさかのぼること30年以上前に映画化されていた。いまは幻となってしまった「映画版 こち亀」。当時の両津勘吉役は誰だったのか?人気はあったのか?気になるところだ。
1976年より「週刊少年ジャンプ」に30年以上連載されている「こち亀」だが、1977年には早くも実写版映画が作られていた。
この時の両津勘吉役は「せんだみつお」である。最近は「浦島みつお」と改名するなどして復活を図っているが、当時はトップクラスの芸人だったのだ。
同映画では荒井注、田中邦衛、由紀さおり、夏木マリなどが共演しており時代を感じさせる。
ところで、この映画人気の程はどうだったのか?
当時は映画といえば2本立てや3本立てが主流だった。この時も併映作品が「トラック野郎 男一匹桃次郎」というヒットシリーズだったので分析しにくいが、配給収入は12億260万円だったというからかなりの動員数だ。
ただ、映画「こち亀」の方は続編はできず、ビデオなどでも残されていないのでそれほど話題にはならなかったと思われる。
現代版ドラマ「こち亀」の方はSMAPの香取慎吾が両津勘吉役となり、大々的に売り出した。2回目までの視聴率が12%、11%といったところで正直前評判ほどの人気には至っていないといえる。
ドラマ自体は原作の良さを何とか出そうという努力が痛いほど伝わるし、決して悪い出来ではないのだが。
だが、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の原作があまりに親しまれているのでファンとしてはそのギャップにどうしても違和感を感じるのだろう。
逆に視聴率がこの程度までいっているのは役者、スタッフ陣の努力の賜物だともえいるのではないか。
以降の放送でどういった展開を見せてくれるか楽しみにしたい。
ちなみに、「こち亀」は舞台では何度も演じられており、その際は両津勘吉をアニメで声を担当したラサール石井が演じている。
今回のドラマ化でラサールが両津役を引き受けなかった理由は定かではないが、舞台で演じた経験から、ドラマ化する難しさを感じていたとも考えられる。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)