大所帯ゆえに楽屋でドライヤーも使えない新生「EXILE」。ATSUSHI とTAKAHIROのボーカル二人をグルグル“踊り囲む”「祭り神輿(みこし)風」のパフォーマンスもやっと目に慣れて来た今日この頃。とうとう盆踊り風パフォーマンスや、メンバー全員がメニューを考案したというビアガーデン「居酒屋えぐざいる」をお台場に出店するなど「和」をテーマとした活動を展開するらしい。新作プロモには、あの、大橋のぞみちゃんも登場し、ここまで来るともう、どのターゲット層に向けてアピールしているのかよくわからない。「EXILE」の夏は、なんでも“アリ”だ。
以前記者が指摘したとおり、「EXILE」の新曲『FIREWORKS』では正にジャパニーズ・ソウルな “盆踊りダンス”を披露してくれている。そのプロモーション・ビデオは必見。 “ポニョ”大橋のぞみが重要な役で出てくる。赤い着物をきた大橋が、和風の絵本を開き、そこから展開する夢の世界が『FIREWORKS』。という日本のプロモにはあまり無い凝ったストーリー。キツネのお面、赤い鳥居や京都の鞍馬を思わせる神社の境内で、はげしく踊り狂う「EXILE」は幻想的。どちらかというと“ポニョ”ではなくて「千と千尋の神隠し」テイスト。
やぐらやお囃子が控え、一応円にもなるので紛れもなく“盆踊り風ダンス”なのだが、振り付けが忙しすぎて誰もマネできない。メンバーのカットもめまぐるしく変わる(さすが14人!)。お願いだからゆっくり動いてー。
炎は出るわ火花は散るわ、火の龍に乗るわで忙しい『FIREWORKS』。映像全般の色調も、赤と黒で暑苦しい上に火花がはげしく飛び散って熱そーな映像が続く(水流もあり)。途中で映画「スピード・レーサー」ばりのカーレース・ゲームみたいになったり、最後、大橋のぞみが現代風の少女に戻ったり、おとぎ話とイリュージョンをいっぺんに見せてくれる。ある意味合理的なPVである。さすが「EXILE」、一度見ただけでお腹いっぱいだ。
さらに、今夏の「EXILE」はこれだけではない。
東京・台場の商業施設『デックス東京ビーチ』で20日、ビアガーデン形式の“居酒屋えぐざいる”がオープンした。EXILEのメンバー14人全員がオムレツやカクテルなどのメニューを考案し、女性・子供にウケそうなデザート、さらに『けんちん汁』や『ソーキそば』などオヤジ泣かせな、各メンバーの“おふくろの味”を連想させる郷土料理も揃う。
夏休み、学生やOL以外にも地方からやってきた家族連れまでも取り込もうという、まさに“スキの無い”メニューはお見事!。期間限定オープンといいながら、今から9月の中頃まで、約2か月もやっているあたりもスゴイ。“としまえんプール”だってそんなにやってないぞ。
「ツアーの合間に、“居酒屋えぐざいる”を手伝うメンバー達。」などといったPRが目に浮かぶような分かりやすい企画に、「イベント飲食でも“ホンキで儲けよう!”」という「EXILE」お得意の商売根性が垣間見れる。というか丸出しだ。
さんざんケチをつけたが、記者もこの夏“居酒屋えぐざいる”ぜったい行く。どこも不景気なこの時代に若い職人(メンバー)をたくさん雇い、次々新しい現場(事業)を見つけてくる、小さな工務店のような「EXILE」。その姿勢はすばらしい。「EXILE」の“勝ち”はすごく分かりやすいと思う。
規模は小さくても売り上げが大きく、“技術は世界規模”といった会社も多いニッポン。ある意味、「EXILE」の“和風展開”も、それを意識したジャパニーズ・ソウル(魂)の表れなのか。
彼らの夏は忙しい。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)