イスラエル南部で先月、背中から2本の脚が生えたマウンテンガゼル(イスラエルガゼル)の姿が撮影された。専門家によると、この個体は先天性の形状異常で脚の数が正常より多い「多肢症」であるものの、健康でたくましく生きているという。米ニュースメディア『CBS News』などが伝えた。
イスラエル南部、ネゲヴ砂漠西部に位置するナホール・ハベソル自然保護区(Nahal HaBasor nature reserve)に先月下旬、陸軍予備兵のニル・ライヒターさん(Nir Leichter)がコーヒーブレイクで立ち寄ったところ、“背中に何か奇妙なもの”がついているマウンテンガゼルを発見し、シャッターを切った。
ニルさんはその後、非営利環境団体「イスラエル自然保護団体(Society for the Protection of Nature in Israel、以下SPNI)」にこの個体の写真を送付したところ、背中から2本の前脚が生えていることが判明。同団体の自然保護活動家アミール・バラバンさん(Amir Balaban)が直ちに、現地に足を運んだ。
調査の結果、そのマウンテンガゼルはネゲヴ砂漠北西部のキスフィーム(Kissufim)で2021年に誕生し、生き延びてきた雄であることが分かったそうで、背中から草刈り鎌のような脚が1本と、少し短めの脚が1本ぶら下がっているのであった。
なおアミールさんは、遺伝子疾患「多肢症」について次のように述べていた。
「多肢症は牛や鳥、爬虫類に多く発生するが、中東のマウンテンガゼルではこの個体が最初のケースです。多肢症は親から子へと遺伝して発生した可能性が高く、この個体は複雑な出産を乗り越えただけでなく、子ガゼルを狙う野生の捕食者らから上手く逃れ、立派な成体に成長しました。そして同保護区内で素晴らしい人生を歩んでいるのです。」
さらにアミールさんは、