ジェンさんはすぐにスマートフォンを撮影モードにして男の後を追いかけた。男は「母親の具合が悪くて、薬をもらわなきゃならないんだ」とジェンさんに説明したようだが、のちに彼女は「そんなことで人や動物に危害を加えてもいいってことにならないでしょう」と怒りを露わにしていた。
一方でノックスを蹴った男は翌日、警察署に現れ、ジェンさんに危害を加えられたと訴えた。彼は警察に対して、犬の散歩をしていたジェンさんに後ろから「何やってんのよ!」と怒鳴られ、突き飛ばされたと主張した。
さらに男は、警察に「(ジェンさんから)顔を殴られたり、足を蹴られたりして軽傷を負わされ、持っていたスマートフォンを壊されそうになった」と話している。しかし、ジェンさんはノックスが蹴られた直後に男の足を蹴ったことは認めたものの、顔を殴ったことやスマートフォンを壊そうとしたことは否定しており、彼女も12日に署に出向き、告訴状を提出した。なお今回は双方が告訴していることもあり、15日の時点でどちらも逮捕されてはいないとのことだ。
ちなみにジェンさんは、ペットをテーマにしたアンティークの宝飾店を経営しており、かつて動物福祉の職員をしていたこともあって収益の10パーセントを動物保護施設や動物虐待防止協会(SPCA)に寄付している。そんな動物を思いやるジェンさんだが、今回のことに落胆し、無力感を抱いているそうだ。というのも、男が犬に暴行を働いたにもかかわらず、ニューヨーク州の刑法では犬が「所有物」の扱いであることが事態を複雑にしており、男に法の裁きが下される可能性が低いからだ。彼女はこのように語っている。
「法的には何もできないようなので、私は今回のことについて情報を拡散することにしたのです。この男が危険な人物かもしれないということを人々に知ってもらうことを望んでいます。」
ジェンさんがSNSに投稿した動画は拡散され、これによって男が米Google社に勤務し、UXリサーチマネージャーを務めていることが分かっている。SNSでは現在、Google社にこの男の解雇を求める声まであがっているようだ。
画像は『New York Post 「Stranger kicks 5-pound rescue dog in NYC, then claims dog owner attacked first」、「Dog owner says pup was kicked to death by teen during walk」(Facebook)』『Daily Record 「Woman left covered in blood after thug ordered dog to ‘get her’」(Image: Cleveland Police)』『The Sun 「RUFF RIDE Indian YouTuber arrested for tying balloons to pet dog to make it fly for cruel video stunt」(Credit: YouTube)』『SBS News TikTok「Watch the viral moment an Aussie man jumped into an outback river to save his dog from a wild kangaroo.」』『The Mirror 「Boy, 10, mauled by out-of-control dog in Walsall as he plays football outside home」(Image: Courtesy Gohar Siddique / SWNS)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)