画面右手から1台の車がやってきた。停車した車の中から男性が出てきて、モーリーの方へ向かって歩き出す。モーリーは人が近づいてくる気配を感じ取ったようで、じっとそちらの方を向いて待っている。男性がモーリーを撫でると、モーリーはその人物が飼い主の家族であることに気がついたようで、大きく尻尾を振って喜びを爆発させた。
ひとしきり撫でてもらったモーリーは、家に帰るため、男性と一緒に車の方へ向かって歩き出した。その足取りは、それまでの悲し気な様子が嘘のように、軽やかで飛び跳ねるように変わった。最後は男性に抱きかかえられ、車に乗せてもらうところで映像は終わった。
「Drone to Home」のCEOであるフィル・ジェームズさん(Phil James)は、「私はあまり感動するタイプではないのですが、正直この子には泣かされましたね。飼い主さんと愛犬が再会して大喜びする姿を見て、私も本当に嬉しかったです」と振り返った。
モーリーと飼い主の再会の瞬間を捉えた動画がネット上でシェアされると、「本当に素晴らしい仕事ぶりだ」「このワンちゃんは怖かっただろうに。涙が出たよ」「見つかって本当に良かった」など、「Drone to Home」の活躍に称賛の声が寄せられている。
フィルさんは飼い主と迷子の動物たちを再会させたいという強い思いを胸に、2019年から同団体を会社として立ち上げ、1人でドローンを使って活動を開始した。昨年の4月29日には慈善団体として登録を行い、現在は3人のスタッフと13人のボランティア、3台の車と5台のドローンを使用して、行方不明になった動物たちの捜索を行っている。コールセンターには一日で平均40件もの問い合わせがあり、これまでにエミューやスカンク、3頭のポニーと9頭の牛、そして2487匹もの犬を発見し、飼い主と再会させた実績を上げた。
捜索環境や夜間の捜索、愛するペットが行方不明になり、取り乱してしまっている飼い主とのやり取りなど、捜索活動での苦労は多いという。フィルさんは、「捜索は複雑で、忍耐力が必要となります。しかし私たちは皆この仕事が好きですし、世界で最高の仕事だと思っています」と自身の仕事に誇りを持っているとコメントしている。
なおテックインサイト編集部は、フィルさんにコンタクトを取り、ドローンを使ってペットを捜索しようと思ったきっかけ、これまで特に記憶に残っている、または印象に残っているケースなどをうかがおうと試みた。
ちなみに今年8月には、行方不明になった愛犬が、ヘヴィメタル・バンドのライブ会場で見つかったケースが話題を呼んだ。まさかの場所で愛犬が見つかったことで、それまで失意の底にいた飼い主だけでなく、ネット上をも巻き込んでの大爆笑のハッピーエンドとなった。
画像は『Metro 2023年10月23日付「Touching moment drone reunites missing blind dog with its owner」(Picture: Facebook/Drone to Home)』『Drone To Home 2023年10月23日付Facebook「Tissues at the ready.」』『The Animal Hope & Wellness Foundation 2023年8月26日付Facebook「We are looking for a possible foster.」』『CNN 2023年9月10日付「Delta passenger’s dog who went missing at Atlanta airport found safe after 3 weeks」(Hartsfield-Jackson Airport)』『Manchester Evening News 2023年2月14日付「Lost dog takes 100-mile trip to Manchester Airport after jumping in taxi」(Image: Georgia Crewe / SWNS)』『The Kidderminster Shuttle 2021年1月5日付「VIDEO: Deaf dog Dizzy’s dramatic rescue from Stourport rabbit hole」』『Rick Haley 2022年8月7日付Facebook「Hey Facebook! Here’s a feel good story of survival.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)