「もうラルフには会えないかもしれない」と悲しみに暮れていたジョージアさんのもとに、ベッキー(Becky)と名乗る女性から電話がかかってきた。ベッキーさんによると、ラルフはベッキーさんの友人が運転するタクシーに乗り、マンチェスター空港まで往復160キロ以上の旅をしていたというのだ。
話を整理すると、ラルフは森で迷子になり自分で家の方角に向かっていたが、その途中で乗客を乗せるためにドアが開いていた停車中のタクシーに飛び乗ってしまったという。タクシー運転手は出発する前にラルフの存在に気が付き、首輪を確認したが住所や飼い主の情報が無かったためその場で対応することができなかった。早朝でまだ寒かったこともありラルフをその場に置いていくこともできず、乗客を搭乗時間に間に合うように空港に送らなければならなかった運転手は、ラルフを乗せたままマンチェスター空港へ向かうことにしたのだ。
無事に乗客を送り届けた運転手は、ひとまずウェールズ北東部フリントシャー州モールドにある自宅へ戻りラルフの飼い主を捜し始めた。そして友人である運転手から話を聞いたベッキーさんが迷子犬の投稿をFacebookで見て、ジョージアさんに電話をかけたことで、この犬がジョージアさんの捜していたラルフであることが判明した。ベッキーさんからタクシー運転手の自宅住所を聞いたジョージアさんは車を走らせ、午前10時に無事にラルフと再会することができた。
ジョージアさんは「ラルフはとても賢い子なので、こんなことをするとは想像もしていませんでした。自らタクシーに飛び乗ったと聞いて驚きましたが、ラルフは人が大好きで人見知りをしないので、人を見つけて思わず飛び乗ったのでしょうね」と語っている。その後ジョージアさんはラルフの首輪にしっかりと必要な情報を載せ、位置情報の追跡システムを搭載したデバイスも装着したそうだ。
ちなみに2021年1月には3週間コンテナ内に閉じ込められウクライナからイスラエルまで2500キロを移動した猫が、積み荷のキャンディを食べて生き延びたというケースが話題を呼んでいた。
画像は『BBC 2023年2月13日付「Wrexham: Missing dog takes 100-mile round-trip in taxi」(GEORGIA CREWE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)