交通事故で体の80%に火傷を負った男性は2020年8月、それまで世界で成功例がなかった両手と顔面の同時移植手術を受けた。そして今年8月、男性は手術から2年を記念し「自分の経験を語ることで、少しでも多くの人をインスパイアできれば」とTikTokをスタート。前を向いて歩くこと、そして希望を持って生きることの大切さを伝えて注目されている。『Truly』などが伝えた。
米ニュージャージー州出身のジョー・ディメオさん(Joe DiMeo、24)は2018年7月14日、夜勤を終えて帰宅途中、居眠り運転で車が横転する事故を起こし、炎上する車に閉じ込められた。
「事故を起こしたことさえ覚えていない」と語るジョーさんは、身体の80%にIII度の火傷を負い、ニュージャージー州の病院で3か月半、薬による昏睡状態に置かれた。医師は焼け爛れた顔の形成手術を繰り返したものの完全な修復はできず、ジョーさんは両手の機能も失った。
そして2019年10月、顔面と両手の移植手術の待機リストに名を連ねたジョーさんは、2020年8月12日に米ニューヨーク大学ランゴーン医療センターで23時間にわたる同時移植を受けた。移植されたのは両前腕の半分から下と額、眉毛、両耳、鼻、両瞼、唇、皮膚下の頭蓋骨、頬の骨、鼻骨、顎骨の一部などを含む顔だった。
ジョーさんの手術前は同時移植の成功例はなかったが、若く、健康で高い意欲を持つジョーさんの手術は成功。今年8月に手術から2年を迎え、TikTokで「火傷を負ったサバイバー」として自身の経験を語り始めた。
ジョーさんはその中で、手術後の自身について「それまでと違うのは顔、両手、そして体の傷が増えたこと。でも僕自身はちっとも変っていない」と明かし、