階段の吹き抜けから上がってくる真っ黒な煙の中に飛び込んで下の階へ行き、地面を這いつくばりながら泣き声だけを頼りに6歳の子を見つけ出して抱き上げた。1階はすでに大半が炎に包まれ外へ出ることができなかったので、ニコラスさんは上の階に戻ると窓を割って外に飛び降りた。
ニコラスさんは当時、緊急電話番号911に連絡する時間すらおしいと考えていたそうで、消防隊が到着する前に自身の判断で燃える家に飛び込んだという。通報を受けて到着した警察官のボディカメラには、激しく燃える家から泣き叫ぶ5人目の子どもを抱えて出てきたニコラスさんの姿が映っていた。警察官は子どもを受け取ると、安全のため家の反対側にニコラスさんを誘導して手当を行った。
芝生に倒れ込み応急手当を受けていたニコラスさんは「息ができない」と苦しそうな表情をしながらも「赤ちゃんは無事か? 無事だと言ってくれ!」と尋ねており、警察官は「赤ちゃんは足に軽い切り傷を負っただけで無事だ。君はよくやったよ」と答えてニコラスさんを安心させていた。
その後、病院に運ばれたニコラスさんは、腕の火傷と煙を吸い込んだことによる気道熱傷のため入院した。だが2日後の13日に退院でき、ニコラスさんの恋人であるカラ・ルイスさん(Kara Lewis)がFacebookで彼の元気な姿を公開した。また激しい火災だったにもかかわらず、早い段階でニコラスさんが救出したことにより子どもたちは奇跡的に軽傷で済んだという。
今回の件について、ラファイエット警察は「ニコラスさんの勇敢な行動が人命を救いました。彼の自身を顧みない精神は素晴らしく、今回のような危機に直面しながらも見せた彼の勇気、粘り強さ、確固とした冷静さは多くの人に感銘を与えました。ラファイエット警察とトニー・ロスワルスキー名誉市長(Tony Roswarski)はニコラスさんの行動に対して永久に感謝するとともに、彼の行動を公に表彰したいと考えています」とコメントしており、ニコラスさんは来月2日に開催予定のラファイエット警察署と同市を拠点とする野球チーム「ラファイエット・アビエーターズ」が開催する交流イベント「ラファイエット・アビエーターズ・ナショナル・ナイトアウト」で表彰されるそうだ。
ニコラスさんの勇敢な行動を各メディアが報じると多くの人が感動しており、ニコラスさんのいとこであるリチャードさん(Richard)がクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で治療費を募ると、目標額の10万ドル(約1356万円)を大きく上回り56万ドル(約7592万円)超もの金額となった。
募金した人々からは「あなたこそ本当のMVPだよ」「なんて素晴らしい勇気の持ち主なの」「早く回復しますように」などのコメントが寄せられている。
Here’s the video to go along with the story. pic.twitter.com/TvZ5wzCg1f
— LafayetteINPolice (@LafayetteINPD) July 15, 2022
画像は『People.com 2022年7月15日付「‘Heroic’ Indiana Man, 25, Runs Into Burning Home to Save 5 Children Trapped Inside」(CREDIT: LAFAYETTE POLICE DEPARTMENT; LINDSEY NICHOLE)』『New York Post 2022年7月20日付「Indiana passerby rescues five children from burning home, including baby」(LafayetteINPolice/Twitter)』『Kara Lewis 2022年7月13日付Facebook「and we’re going home!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)