交通事故に遭い、脳のダメージにより失語症を発症してしまった男性。今まで通りに話すことができず落ち込むなか、医師の勧めで絵を描いてみることにした。今まで絵を描いたことなどなかった男性だが、その才能は瞬く間に開花し、周囲から「ピカソのようだ」と言われるほどの完成度となった。そんな彼の作品は、地元のアートギャラリーでも公開されたという。『Derby Telegraph』などが伝えた。
英ダービーシャー州ダービー在住のマシュー・ラザフォードさん(Matthew Rutherford、39)は2010年、ハイスピードで衝突事故を起こした車に同乗していた。事故の影響で脳にダメージを負ってしまったマシューさんは言葉を話せなくなり、失語症と診断された。
マシューさんは口を動かして音を発することはできるが言葉を話すことができず、動作にも一部制限があるという。読み書きはできないが文字を打つことは可能なので、特別なアプリを使用してコミュニケーションを図っている。
今まで当たり前にできていた“話す”行為が突然できなくなったマシューさんは、自身の気持ちを表現するために絵を描き始めた。
「私は読むこと、話すこと、書くことができないので、コミュニケーションの方法として絵を描くことにしたのです。」
「(ウェスト・ヨークシャー州の)リーズにある入所ケア施設にいた時、ナフィールド病院(Nuffield Hospital)から来たアンドリュー・ジェームズ医師(Andrew James)が、自分の感情や考えを絵に描く方法を教えてくれました。」
マシューさんは現在、日常生活でサポートが必要な人々が暮らすアパートに愛猫“チップス(Chips)”と一緒に暮らしている。事故に遭うまでは絵を描いたことがなかったというマシューさんだが、