自然は時に残酷である―そんな気持ちにさせられるライオンと猿の親子の写真が『The Sun』『The Daily Star』などで取り上げられ注目されている。撮影されたのは南アフリカ共和国の私営動物保護区で、ライオンにくわえられ息絶えた母親には、まだ生きている小さな赤ちゃんがしがみついていた。
ライオンの餌食になった猿の親子の写真を撮影したのは、南アフリカ東部にある私営動物保護区「ジマンガ・プライベート・ゲーム・リザーブ(Zimanga Private Game Reserve)」でサファリガイド兼写真家として活躍するヘンドリー・ヴェンターさん(Hendri Venter、60)だ。
その日、客の案内をしながらライオンの後を追っていたヘンドリーさんは「7頭のライオンのうち、オスの1頭が何かを追って低木帯に入っていくのに気付いてね。そのオスが振り向いた瞬間、それが猿だとわかって慌ててカメラを構えたよ」と当時を振り返る。
そのオスから約20メートル離れた場所にいたというヘンドリーさんはその後、カメラのレンズを通し自然の残酷さを目の当たりにすることになる。
ヘンドリーさんは、当時の生々しい様子をこう語っている。
「ライオンはすでに息絶えた母猿をくわえていて、血だらけの母には無力な赤ちゃんがしがみついていたんだ。それを見た時は、胸が掻き立てられるのを覚えたよ。私は何をしてやることもできなかったからね。」
「そして1分も経たないうちに、そのオスは母猿を貪り食い始めた。するとすぐに兄弟の若いオスライオンがやってきて、母猿から子猿を引き離したんだ。子猿はそのオスに殺され食べられてしまったよ。」
弱肉強食の世界とはいえ、