メキシコ北部の炭鉱で今月4日に落盤、浸水事故が発生し、作業員7名が死亡した。現場では事故発生から6日後に7人目の遺体が発見されたが、事故以来毎日やって来る1頭の犬が人々の涙を誘っているという。『Noticieros Televisa』などが伝えている。
メキシコ北部コアウイラ州に住むゴンサロ・クルスさん(Gonzalo Cruz、53)が捨て犬だった“クチュフレート(Cuchufleto)”を保護したのは、事故が起きる約6か月前のことだった。
ゴンサロさんはクチュフレートを我が子のように可愛がり、毎朝6時半になると愛犬を連れて約1キロ離れた炭鉱まで歩き、時には暗い炭坑内に一緒に入ることもあった。
妻のサンドラ・ ブリセーニョさん(Sandra Briseño)は「夫が仕事をしている間、クチュフレートは外で待っていることもあれば、家に戻ってくることもありました。それでも夫の帰りが遅い日には必ず、炭鉱まで出かけていったのです」と語ると、涙ながらにこう続けた。
「事故が起きた4日も、クチュフレートは自分で炭鉱まで行き、多くの人が閉じ込められた作業員の救出作業をする様子を見ていたのです。しかしその日は夫が戻ってくることはなく、クチュフレートは何かを感じたのかもしれませんね。夫の遺体が運び出される2日後まで、朝も夜も炭坑の外で待ち続けたのです。」
「夫は発見されたその日のうちに埋葬されましたが、クチュフレートはその晩、家には戻ってきませんでした。」
またサンドラさんの娘イェセニアさん(Jesenia)は、