オーストラリアの海で、ゆらゆらと浮かぶ色鮮やかな生き物の姿が捉えられた。ウミウシの一種であるこの生き物は、フラメンコの踊り子のように見えることから“スパニッシュ・ダンサー”と呼ばれている。その姿には「海にトマトソースを落としたみたい」など驚きの声が続出したようだ。『7NEWS.com.au』などが伝えた。
オーストラリア西オーストラリア州パース北部のコーラル・ベイにて、ウミウシの一種である「ミカドウミウシ(Hexabranchus sanguineus)」の姿が写真に収められた。
浅瀬で発見されたこのミカドウミウシは、透き通る水の中で外套膜と呼ばれるヒダを大きく広げている。その鮮やかな赤色と絞り染めのようなキレイな模様が、青い空とコントラストを織りなし美しいアート作品のようだ。
小さいイメージのウミウシだが、このミカドウミウシは大型種で、大きいもので60センチにまで成長するという。通常は外套膜を内側に巻いているが、泳ぐときや外部から刺激があった時に大きく広げる。
ウミウシはサンゴ礁や海底を這うように移動するため、そのほとんどが泳ぐ能力を持っていないそうだ。しかしミカドウミウシは泳ぐことが多く、体を大きくうねらせて移動する姿が特徴的だ。その色も相まって、スペインの伝統的ダンスであるフラメンコに似ていることから、“スパニッシュ・ダンサー”という異名を持っている。
インド洋、西太平洋、中部太平洋、南太平洋を中心に分布しており、