ブラジルの川辺で約10万匹のカメが卵から孵り、一斉に川に向かって進む壮大な映像が届いた。世界でも数か所でしか見ることのできない貴重な瞬間で、保護団体は親ガメが巣を見つけるところから追跡調査をしていた。膨大な数だが、生き残って成体にまで成長できるのはわずか1%以下だという。『Treehugger』などが伝えている。
「野生動物保護学会(The Wildlife Conservation Society 、以下WCS)」がこのほどオオヨコクビガメ(Podocnemis expansa)が孵化し、川へ向かって大移動する様子を動画で捉えた。
オオヨコクビガメは川や湖などに生息する淡水ガメで、ラテンアメリカでは最大種という。雌は体重200ポンド(約90キロ)、体長は30インチ(約76センチ)を超え、大きいもので1メートルにまで達する。雄は雌よりも小さく、体長19インチ(約48センチ)まで成長する。
今回の孵化は、ブラジルのアマゾン川支流プルス川近くの「アブファリ生物保護区(Abufari Biological Reserve)」にある砂浜で発生した。オオヨコクビガメの孵化は世界中で数か所しか起こらず、WCSは同保護区内にいる成体の雌とその巣を数か月かけて追跡調査していた。
WCSブラジル支部で水棲ガメの専門家として活躍するカミラ・フェラーラさん(Camila Ferrara)は「孵化の時期はいつも大きな期待に胸を膨らませます。これはカメ達を保護するために多くの人の労力が報われる瞬間なのです。私たちは巣ができる3~4か月前から追跡調査を行っていました」と明かす。
砂浜に産みつけられたオオヨコクビガメの卵は初日に約71,000匹が、その数日後には約21,000匹が、今月1日にはさらに8,000匹が孵化した。合計で10万匹の子ガメが誕生したことになる。
水辺から離れた場所に巣が作られているため、