高齢者が入所するロシアのホスピスで今月初旬、飼い犬が火事を知らせて4人の命を救った。犬は酷い火傷を負ったものの、地元のボランティアの温かいケアにより回復しているという。『Daily Star』『LADbible』などが伝えている。
ロシア西部サンクトペテルブルクにある個人経営のホスピスで今月3日、火災が発生した。これにいち早く気づいたのはホスピスで飼われていた犬の“マチルダ(Matilda)”で、建物の中に駆け込むと激しく吠えて危険を知らせた。
当時、ホスピスにいたのはオーナーを含む4人で、マチルダの異常な鳴き声に気付いてすぐに避難を始めた。しかしながら建物は木造で火の回りが早く、消防隊が駆けつけたもののマチルダへの対応は後手に回ったようだ。
ロシアのSNS「VK(ВКонтакте)」によると、消防隊が建物内に閉じ込められたマチルダを発見できたのは4人を救出した後で煙を大量に吸って意識を失っていたという。
マチルダを保護した地元の動物愛護活動家は「獣医の診察を受けたマチルダは、顔、首、腹部に重度の火傷を負い、鼻の皮膚が剥けて苦しそうにもがいていました。それでも治療に耐え、なんとか危機を脱しました」と明かすと、次のように述べた。
「検査の結果、マチルダは妊娠していることが判明し、お腹の赤ちゃんが無事かどうかのチェックも行われました。獣医には『胸の火傷が酷いため、マチルダは赤ちゃんが生まれても授乳はできないでしょう』と言われましたが、幸いなことにお腹の赤ちゃんは無事でした。」
「SNSには『マチルダの治療代に』と寄付が寄せられており、ボランティアらの必死の看護により思いのほか順調に回復しています。ただホスピスのオーナーでマチルダの飼い主である女性が火事で怪我をしたため、一時的にマチルダを預かってくれる里親を募集しているところです。」
なおマチルダの出産は11月末頃だそうで、