米ジョージア州アトランタの病院の集中治療室に入院する子供たちを、14年にわたりボランティアとして癒し続けてきたデイヴィッド・ドゥッチマンさん(David Deutchman)が今月14日、86歳で逝去した。約2週間半前の10月末に、ステージ4の転移性膵がんと診断されたばかりだった。“ICUグランパ”として多くの人に愛されてきたデイヴィッドさんの人生を『TODAY』『People.com』などが伝えた。
米ジョージア州アトランタ在住のデイヴィッド・ドゥッチマンさんは2002年、41年続けてきたインターナショナルビジネスのマーケティングの仕事を引退した。その後、地元大学で講義などをしていたデイヴィッドさんは2005年、「自由な時間をより有意義に過ごしたい」とアトランタの小児病院「Children’s Healthcare of Atlanta」を訪れ、毎週火曜は小児集中治療室(PICU)、木曜はNICU(新生児集中治療室)で赤ちゃんを抱っこするボランティアとして活動を始めた。
そんなデイヴィッドさんが“ICUグランパ”としてメディアに取り上げられたのは2017年のことで、当時のインタビューでは「12年で1000人以上の赤ちゃんを抱っこしたよ」と明かし、次のように語っていた。
「男友達が『今何をしているのか』って聞くんだよ。だから『赤ちゃんを抱っこして、ミルクを吐かれて、おしっこをひっかけられるんだ』と返すと、『なんでそんなことしてるんだい』って言われるんだ。」
「きっと彼らには、赤ちゃんを抱っこすることで得られる『素晴らしい報酬』ってものがわからないんだよね。」
「私は赤ちゃんとの温かい繋がり、愛、そして病院の雰囲気がとても好きなんだ。時には子守唄を歌い、保護者の手を握って『私がそばについているから、朝ご飯を食べてきていいよ』と声をかけ、ストレスを軽減する手伝いもする。たったそれだけだけど、赤ちゃんや家族にとってはとても意味のあることなんだ。」
ボランティアに第2の生きがいを見出したデイヴィッドさんだったが、