人間が自然の中に足を踏み入れる時、そこは我々だけの場所ではないということを理解しておかねばならない。このほどアメリカでハイキングコースをランニングしていた男性が、野生のピューマと遭遇し死をも覚悟したという。男性は当時カメラを回しており、6分間にわたるピューマとの攻防をおさめた動画が話題を呼んでいる。『Fox News』『Deseret News.』などが伝えた。
今月10日の午後、ユタ州プロボにあるスレート・キャニオン・トレイル(Slate Canyon trail)を走っていたカイル・バージェスさん(Kyle Burgess、26)は、終点まで残り3.2kmほどの所でキョロキョロしながら駆け回る4匹の小さな子猫たちを見つけた。
「ヤマネコの子供だろう」と思ったカイルさん、携帯電話で子猫たちを撮影しつつ道を進んでいると、母ネコが現れ勢いよくこちらに向かって突進してくるではないか。なんとそこに現れたのは野生のピューマだった。
カイルさんはその時の心境を「そこに居るのが母親だと理解した時、この子猫たちが(ヤマネコではなく)なんなのかを理解したよ。『やっちまった』と思ったね」と話している。
子供に近づいたせいだろうか、牙をむき出し威嚇を続けるピューマはカイルさんが後ずさりしてその場から離れようとするも、カイルさんを追うのをやめない。
カイルさんは「俺は大きくて怖いんだぞ! あっちへいけ!」「ちくしょう!」と大声で叫んだり、罵ったり、また「お前はいい子だ、良い子で小さな子猫だよ、さあ、あっちへ行ってくれ」と時には優しくなだめるように懇願したりと手を尽くして追い払おうとするが、ピューマは執拗に追い続けてくる。
次第にピューマはより一層興奮していき、遂にカイルさんに向かって突進しはじめた。この時カイルさんは心臓がバクバクと波打ち、全身からアドレナリンが出ているのが分かったという。
一時は「僕はここで死ぬのか、勘弁してくれよ。なぁ、まだ今日死ぬわけにはいかないよ」とふと死がよぎったというカイルさんだったが、