今から3年前、アラブ首長国連邦(UAE)在住のイギリス人男性が低血糖性昏睡に陥った。当時20歳だった男性は筋肉増強のためにインスリンを過剰に摂取しており、今でも介護が必要な状態が続いている。『Gulf News』『Daily Star』などが伝えた。
アラブ首長国連邦の首都アブダビ在住のボディービルダー、トリスタン・アルバーツさん(Tristan Alberts、23)は2017年11月18日、自宅で嘔吐し意識を失って倒れているところを母親に発見された。
トリスタンさんは低血糖性昏睡を起こし、呼吸不全に陥って脳が腫れており、搬送先の病院で緊急手術が行われた。しかしながら脳の損傷が激しく、それ以降はコミュニケーションを取ることや身体を動かすこともできなくなり、視力が奪われて24時間体制の介護が必要になった。
当時トリスタンさんは、頻繁に通っていたジムで筋肉増強のためのインスリンのサプリを定期的に与えられており、これが低血糖を引き起こした。インスリンは糖尿病の治療に使われる血糖値を下げるホルモンの一種だが、トリスタンさんのようにインスリンが正常に分泌されている人が余分に摂取した場合、血糖値が危険なレベルまで低下して昏睡状態や脳損傷を起こすことがあるという。
トリスタンさんは病院の集中治療室で103日を過ごし、2018年3月にアブダビの医療センター「NMC ProVita」に転院してリハビリを開始したが、3年を経た今も同センターに入院している。
南アフリカ出身の父ネヴィルさん(Neville、55)によると、トリスタンさんは現在、笑ったり「イエス」や「ノー」と答えることができるようになり、