検疫のために2月に横浜沖に停泊した「ダイヤモンド・プリンセス」号では「政府の対応が後手に回り、新型コロナウイルスの集団感染が広がったのではないか」との批判が出ていたが、今月5日から米カリフォルニア州サンフランシスコ沖に停泊中だったクルーズ船「グランド・プリンセス」号では現地時間9日、乗客の下船が始まった。閉じ込められていた乗客の声を『ABC 14 News』『New York Post』などが伝えている。
2月に乗船した71歳の男性客が新型コロナウイルスに感染し死亡したことが判明し、今月5日からサンフランシスコ沖合に停泊していた「グランド・プリンセス」号だが、現地時間9日午後にオークランド港に入港し、乗客の下船が始まった。
「グランド・プリンセス」号の船内ではこれまで21人の感染が確認されているが、10日にも約2400人の乗客全員が下船する予定になっており、症状が出ていない乗客は14日間隔離されて検疫が行われる。狭い船内から解放される乗客にとっては一安心といったところだろうが、束の間のパラダイスを求めて乗船した乗客にとっては最悪なバケーションとなってしまったようだ。
イギリス人乗客140人のうちの1人、マーガレット・バートレットさん(Margaret Bartlett、77)は、まだ下船が始まる前の船内の様子を次のように明かした。
「私の部屋はバルコニーがないの。部屋から出られないのだから最悪よ。それに10部屋先の方は亡くなったわ。遠くには陸が見えるし、太陽だって輝いているのに、私たちは部屋から出られないなんて。早く何とかしてくれないと、頭がおかしくなりそうよ。食事は足りないし腐っているから、そのことでひと悶着起きるわけよ。」
また別の乗客は6日、