米コロラド州デンバー郡刑務所に勾留されていた女性が昨年7月、適切な処置もなく独房内で一人での出産を強いられた。それから1年以上が経った8月28日、女性はデンバー市・郡、デンバー・ヘルス&ホスピタル当局、看護師や保安官代理6名に対して訴訟を起こした。「あの日の不必要な恐怖、痛み、屈辱は今でもトラウマとなり忘れることができない」と女性は述べており、弁護士は彼女の出産の一部始終を捉えた動画を公開した。
妊娠8か月だったダイアナ・サンチェスさん(27)は昨年7月14日、個人情報の盗難の罪でデンバー郡刑務所に勾留された。8月9日が出産予定日だったダイアナさんは、7月30日に医師の診察を受けた際「ハイリスクで早産の可能性があるため、陣痛が始まったらすぐに医療機関を受診するように」と忠告されていた。
翌日の午前5時、陣痛が始まったダイアナさんは、保安官代理や看護師らに最低でも8回は陣痛がきていることを知らせたものの、吸水パッドを渡されただけでその後約6時間も放置された。
ダイアナさんの弁護士マリ・ニューマンさんによると、看護師は陣痛が始まって約5時間後の午前10時に、ダイアナさんを病院へ搬送するバンを要請していたようだ。看護師や保安官代理ら最低5人は、一般車両による搬送ではかなりの時間がかかることを知っておきながらも緊急事態ではないとしてサポートを怠り、何の対処もしなかったという。またある保安官代理は、ダイアナさんが破水し吸水パッドが赤く染まっているのを確認していたが、それでも救急車が呼ばれることはなかった。
監視カメラの映像によると、