今から約9年前、フットボールの試合中に脊髄を損傷したアメリカの男性(27)は、リハビリの最中に“生涯の伴侶”と巡り合い、事故から約7年を経て結婚した。「首から下の感覚が戻る確率は3%」との医師からの言葉に屈することなく、人生のどん底から這い上がってきた男性はその後、5人の子供たちを養子として迎え入れた。彼の力強い生き様は多くのメディアに取り上げられ、人々に感動や希望を届けている。
2010年10月16日、18歳だったクリス・ノートンさん(Chris Norton、27)は、カレッジフットボールの試合中に脊髄に損傷を負った。医師からは「首から下の感覚が戻り再び歩けるようになる可能性は3%」と告げられたが、事故から9か月でアイオワ州ルーサー・カレッジに車椅子で復学した。辛いリハビリに励んでいた2013年、クリスさんはその後の人生を変えるエミリー・サマーズさん(Emily Summers、26)と出会い、恋に落ちた。一目惚れだった。
「大学の卒業式にはなんとかステージを歩きたい。自分は回復が見込めない97%にはなりたくない。3%にかけてみたい。やらなければいけないことを、いつもより少しだけ努力して頑張ってみよう。小さなステップもやがては大きな成果となって現れるはずだ。」
強い意志を持ち「卒業式で歩いてみせる」というゴールを設定したクリスさんは、家族や友人、そして愛するエミリーさんに支えられて、必死にリハビリに励んだ。そして2015年5月、クリスさんは大学の卒業式のステージで一歩一歩ゆっくりと確かめるように歩を進め、念願の卒業証書を手にした。彼のそばには式の前日にプロポーズした“婚約者”のエミリーさんが寄り添い、クリスさんをしっかりと支えた。最初の目標を見事達成したクリスさんの誇らしげな姿に、式に出席したクリスさんの母は涙を流し、会場は拍手喝采で包まれた。
そんなクリスさんが次に設定した目標は、