脳性麻痺により、学校にも通ったことがなく自分で食事をすることも歯を磨くこともできない中国の男性が、唯一動かせる“口”を使って折り紙を折ることに挑戦し、作品を売り出すまでになった。『South China Morning Post』が伝えている。
山東省に住むガオ・グァンリンさん(Gao Guangli)が折り紙に興味を持ったのは、12歳の頃だった。同年代の子供たちが紙飛行機で遊んでいるのを見たのがきっかけで、小さなキャンディの包み紙を口の中に入れ、折り紙を折る練習を始めたという。
ガオさんは「誤って折り紙を飲み込んでしまうこともしょっちゅうで、お腹がいっぱいになって夕飯が食べられないこともありました。長い時間練習していたので、口内炎にもなりましたよ。私の健康状態は決していいとは言えず、18歳の頃には虫垂炎の手術を受けました」と語っており、いっぱしになるまでには相当の努力があったことを明かしている。
『South China Morning Post』の動画では、ガオさんはただ口をモゴモゴしているだけのように見えるが、出来上がった作品は実に見事である。ガオさんによると、口の中での制作は手の指を使って折り紙と折るのと一緒で、歯で噛むことで折るラインを決め、舌を使って大きさを測り、折り込む角度を調整するそうだ。ガオさんが得意とするのはカエル、ハート、ボート、ロケットなどだが、一番難しいのはツルで制作には20分かかるという。
そんなガオさんだが学校には一度も通ったことがなく、両親の介助を受けて生活していた。読み書きもできなかったガオさんが「外の世界を見たい」と思ったのは、