人々の善意による寄付金を、私利私欲のために使う犯罪者はあとを絶たない。このほどイギリスで、我が子のがん治療費のために集められていた寄付金をギャンブルに使った母親が詐欺罪で有罪判決を受けた。『BBC News』『Yorkshire Evening Post』『Mirror』などが伝えている。
ウェスト・ヨークシャー州リーズのオズモンドホープに住むステイシー・ウォースリー(32歳)は2017年1月2日から2018年3月30日にかけて、当時がん闘病中だった息子トビー・ナイ君(6歳)の治療費として集められた寄付金20万ポンド(約2,950万円)のうち140,700ポンド(約2,080万円)を不正に使用した。これにより詐欺罪で、今年3月4日にリーズ刑事法院にて有罪判決を受けた。
ステイシーの息子トビー君は2016年のクリスマスに具合が悪くなり、一家は2017年1月にトビー君がステージ4の神経芽細胞腫であると医師から宣告された。この日はトビー君の4歳の誕生日だった。
NHS(英国民保健サービス)ではトビー君の治療費負担が不可能であり、トビー君が地元サッカークラブチーム「リーズ・ユナイテッド」の大ファンだったことから一家は同チームに寄付金を呼びかけると、トビー君のことを知った選手やスタッフ、サポーターらから20万ポンド(約2,950万円)が集まった。ところがギャンブル癖があったステイシーは、寄付金の保管者としての立場を悪用し、そのほとんどをギャンブルに浪費したのだ。
トビー君は治療後の検査で骨髄のがんは消滅したことが分かったが後に脳腫瘍と診断され、