コントロールを失ったことで3車線を横切り高速道路脇の木々に衝突、そのまま5メートル半ほど盛り土を滑った。スピードが出ていたため、事故現場はかなり悲惨な状態であったと後に警察は述べている。
サラさんは脊髄を激しく損傷し、脚などの怪我も酷くその場で息を引き取った。脳に深刻なダメージを負ったティモシーは緊急ヘリで病院へ搬送されるも手の施しようがなく、翌朝死亡した。輸血を受けたことからティモシーの血中アルコール濃度を検出することが困難だったが、病理学者は彼が飲酒運転制限量の2倍のアルコールを摂取していたのではないかと証言した。また、2011年にかかりつけの医師にうつと診断されていたティモシーは、それ以降抗うつ剤を服用しており、事故を起こした日も血液中に抗うつ剤のジアゼパムが検出されている。飲酒後の運転にこの薬が影響を及ぼしたとも考えられているようだ。
また事故後、ティモシーは仮免許取得者であり免許を所持していないことが判明した。2017年にも保険と免許なしで運転していたことから有罪判決を受けており、今回も保険には入っていなかったことが分かった。警察は「彼が生きていれば、間違いなく逮捕・起訴されただろう」と話している。
楽しいデートとなるはずが命を奪われる悲劇に見舞われてしまったサラさんは、16歳で学校を出てからは美容師になるためのトレーニングを受け、19歳で長男ハーリー君を産んだ。その2年後にはジェイソン君を授かり、2児の母親として仕事と子育てに励んでいたという。一方でティモシーにも3歳と9歳の子供がおり、窓の掃除員として家業に従事していたがその後自分のビジネスを展開させていたそうだ。
この事故により、高速道路はおよそ7時間閉鎖した。なおサウス・ウェールズ警察によると、ティモシーが運転していたBMWには技術的な欠陥は見当たらず、事故当日の道路には問題などなく、天候が良く視界もクリアだったということだ。ポンティプリッドで行われた死因審問後、同警察は「悲劇は再び、飲酒運転による致命的な事故が原因で起こってしまいました。クリスマスが近づいていますが、みなさんどうか“飲んだら乗るな”を守ってください」と注意喚起した。
このニュースを知った人からは、「残された子供たちがただ気の毒」「飲酒運転をした奴には生涯運転を禁じればいい」「男がワイン2本飲んだ時点で女性が警察に通報していれば、こんな悲劇は起きなかったはず」「高速道路での衝突なんて、他の車も巻き込まれる可能性もあるわけだし、身勝手な大人としかいいようがない」「それだけ飲んだ男の車に乗り込む前に、子供たちのこと考えてあげていればよかったのに…」「男は死んで当然だけど女性も亡くなるなんて…」「過去にも無免許で運転していたのに、そんな奴に車を貸す友人もおかしい」といった声があがっている。
画像は『BBC News 2018年11月21日付「M4 crash: Drunk driver killed girlfriend in ‘catastrophic’ smash」(FAMILY PHOTOS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)