多くの親がこの計画に感謝を露わにしたようだ。なかには休暇中、子供たちにヘルシーな食事を与えることへの苦労を明かす親もいた。シングルマザーのキャリー・アン・ギッボンズさん(37歳)はこのように語っている。
「最初はボランティアとしてここに来たのですが、息子を連れてこようと思いました。ここでの食事はファストフードよりずっといいものです。シングルマザーだとヘルシーな食事をすることはとても高くつくし、子供がそれを食べてくれるとも限りません。この計画は素晴らしいと思います。息子は夕食といえば、チキンナゲットかチップスだと思い込んでいるので、ヘルシーな食生活についての教育もできるし、役に立ちます。」
また2人の子供を持つ別の母親(本人の意思で名は明かさず)は、このように話した。
「先週、銀行の口座には家族のための食費さえ入っていない状態で、銀行カードを使おうとしましたが支払いを拒否されました。後ろに並んでいた男性が、食材を支払うと親切に言ってくれた時、思わず涙が溢れました。誰かにそんなふうにオファーされるほど自分は貧乏なんだと、とてもみっともなく思えて。子供たちには栄養価の高いものを与えてあげる余裕はありません。だからうちの子たちは、いつもチップスやソーセージ、チキンナゲットを食べています。」
貧困家庭が助かるだけでなく、ひとり暮らしのグラハム・ドーソンさん(51歳)も「低収入で缶詰の食事ばかりしている者にとっては、こうした場はとても助かります。貧しいとヘルシーな食事ができず、肥満になっていきますからね」と、“Summer Kitchen”がオープンした喜びを口にした。また、バリー氏は「休暇中、閉めたままにしている学校施設を使わない手はないと思いました。多くのボランティアたちの協力を得て、美味しい食事を無料で提供するというこの試みは、おそらく英国初と言っていいかもしれません。“Summer Kitchen”には高齢者から若者まで、どなたでも大歓迎です」と述べている。
コミュニティー全体が協力しているマーゲートでは、食事だけでなくヘアカットやクラフト&アートなどのアクティビティーも無料で提供しているようだ。このニュースを知った人からは、「素晴らしい試みだわ。貧困家庭はきっと感謝しているでしょうね。他の地域でも同じようにすればいいと思う」「ヘルシーな食材は確かに準備に手間がかかるし、ある程度のスキルもいるけど、高級だとは限らない。ジャンクフードの方が高くつくと思う。でも、貧困家庭が手軽なジャンクフードに依存してしまう気持ちもわかる」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年7月31日付「School opens doors for summer to feed children too poor to eat」(Picture: BPM Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)