日差しがますます強くなるこれからの時期、動物園の動物たちは一般的な開園時間にはダラダラと動きも緩慢で何かの陰に隠れて眠ってばかり、姿すら見えないということも多々である。動物愛護の気持ちと常識がある者は、そこで「お金を払って遠くから見に来てやったのに、けしからん」といった言葉を吐いたりはしない。ところがこのほど中国南部のある動物園で…。
眠っていたカンガルーが心無い人間のむごい仕打ちにより死傷したことを、微博(ウェイボー/weibo)に投稿された写真とともに中国の英字新聞『Global Times』が伝えた。事件が起きたのは福建省福州市晋安区にある「福州動物園」。カンガルーに向かって石を次々と投げていたのは動物園の見学者たちで、12歳のメスのカンガルーは左のつま先を砕かれ、腎臓を破裂させられてこれが致命傷となってしまった。数日後には5歳のメスのカンガルーも石を投げられて右足を負傷。幸いこちらは軽傷で済んだという。
動物園の職員がその様子を聞きつけて現場に駆けつけたところ、石を投げた見学者はすべて大人で、「カンガルーが眠っているから『目を覚ませ』、『起きろ』と刺激したかった」などと話したという。動物園は周辺一帯から石を取り除き、監視カメラを設置して対応しているが、カンガルーのみがターゲットにされているわけではないのか、心無い見学者による動物虐待の問題は依然として無くならないそうだ。
一方、