「それなら自分で」と決心した。
まずはグーグルでインプラントの除去方法をリサーチし、大工や塗装工が使うような0.99ペンス(約150円)の市販のカッターナイフと、2.5ポンド(約380円)の消毒液を用意した。そして今年3月16日、夫が仕事に出ている間に自宅の寝室で自ら施術を行った。
「冷凍庫から氷を出して、ビニール袋に入れて袋の口をしっかり閉じて氷嚢を作りました。そして2階の寝室の鏡の前で胸の下の豊胸手術痕に氷嚢を当て、胸を持ち上げて動悸が収まるまで5分ほどそのまま待っていました。その間も、『あなた、正気なの!? 無茶したらダメ』と自分に話しかけたりしていました。でもしばらくして皮膚をつねってみたら何の痛みも感じなかったので、カッターナイフを手にして傷痕の瘢痕組織に切れ目を入れてみたんです。痛みを感じなかったので『あら、痛くないわ。良かった!』と思って。でも静脈や動脈を傷つけないように気を付けながら切り続けました。そうしたらシリコンインプラントが見えたんです。」
トニアさんはガーゼを当てながらインプラントを取り出した時、2つのうちの1つが破裂していることに気付き、パニックになった。
「塊を引っ張り出して手にした時に潰してしまったようで、シリコンが散ってしまったんです。」
しかしなんとか2つを除去し終えたトニアさんは、夫に「A&E(緊急外来)へ行くけど、心配しないで」とだけメモを残し、同州ボストンのピルグリム病院の緊急外来へと車で走った。その後、病院で体内にシリコンが残っていないか検査をしてもらい、現在は除去した時の傷痕も無事に癒えたようだ。
「NHSに大きな負担をかけずに済んで良かったと思っています。今は除去されてスッキリしました。正直、除去後の見栄えは良くはありません。萎んだ皮膚が残ってしまいましたから。でもこれ以上、不快感に耐えられなかったので、自分で施術したことを恥じてはいません。もうインプラントは二度としません。豊胸をしたのは大きなミスでした。自分で除去したことは、私自身を含め豊胸にデスパレートになる人たちへの“よく考えて豊胸手術をしないと後悔することになる”という注意喚起になるのではないかと思っています。」
英国美容整形外科協会のナヴィーン・キャヴェール医師は、「最初の豊胸手術時に胸の下部にある痛みを感じる神経が損傷してしまった可能性があります。そのため、トニアさんは今回の除去時に痛みを全く感じなかったのでしょう。しかし自らインプラントを除去するなどという行為は、動脈を傷つけたり感染症や出血多量のリスクを伴うために非常に危険です。彼女は信じられないほど幸運だったといえるでしょう。」
このニュースを知った人からは、「うわぁ、自分でするなんて相当デスパレートな気持ちになってたのね」「クレイジーな人はやっぱりクレイジーなことをするね」「自分で除去だなんて信じられない…。クレジットカード分割払いとかにしてクリニックに行けばいいのに」「この人、正気じゃないよ」「豊胸したいと思ったことも自分で除去したことも愚かとしか言いようがない」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年4月23日付「Woman cut out her own breast using scalpel, Dettol and a YouTube tutorial」(Picture: Triangle News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)