待望の我が子が生まれた時、親は様々な思いを込めて名付けるが、それは親にとって大きな責任でもある。子供に付けた名前を役所から却下されるケースは日本でもあるが、このほどフランスで生まれた女児の名前をめぐって裁判が行われているという。『The Local』『Mirror』などが伝えた。
フランス北西部ブルターニュのモルビアンに住むフランス人カップル(本人の意思により名は公表されず)に昨年11月、第3子となる女児が生まれた。両親はこの女児に「Liam(リアム)」と名付けたのだが、これが裁判沙汰になってしまった。
英語圏でリアムは、男児の名前としてごく一般的である。フランスでは英語を話す人も多いことから両親はその名を女児につけたようだが、出生届を出した時点で母親が役所から「もっと女の子らしいミドルネームを付けるように」とアドバイスされた。しかし母親は1人で来ていたために、「パートナーと相談せずには決めたくない」とそのアドバイスを拒否したという。
そのため今年2月、裁判所が介入する事態となった。検察官は英ミュージシャンで元「OASIS(オアシス)」のリアム・ギャラガーや映画『シンドラーのリスト』でも有名な英俳優リーアム・ニーソンを例に挙げ、「リアムという名前は男児に付ける名前であり、将来子供が成長した時に“性別”について困惑するかもしれないリスクを与えてしまう。子供の利益に反しており、子供がこの先社会関係を築いていくうえで害となる可能性がある」として、親がこの名前を子供につけることを禁じ、親がそれを拒否するのならば代わりに判事が女児の名付け親になるよう、判事に依頼した。
フランスでは男女両方に通用する名を付けるという習慣がなく、