糖分がたっぷり含まれた炭酸飲料水の飲みすぎで歯がボロボロになってしまった男性が、このほど友人の歯科医の好意で総額5万ユーロ(約695万円)ほどの治療を無料で受けることになった。治療を全て終えるまでにはまだ時間がかかるようだが、男性は口腔ケアへの注意喚起を促している。『Irish Mirror』『Independent.ie』『The Irish Times』などが伝えた。
アイルランドのミーズ州アッシュボーンに暮らす3児の父マイケル・シェリダンさん(32歳)は、20代前半から毎日6リットルもしくはそれ以上の炭酸飲料水を飲む生活を送ってきた。マイケルさんによると、「ほぼ毎朝、起きるとすぐ冷蔵庫に直行して炭酸飲料を口にし、買い物に行く時には2リットルのボトルを2本購入するなど、すっかり炭酸飲料水にハマっていた」という。
飲まないと震え、汗をかき、心臓まで痛むという症状が現れ、自分が“中毒”だと気付いたのは炭酸飲料生活を続けて2年ほど経った頃だったそうだ。しかし「他の人がコーヒーを好きなように、自分は炭酸飲料が好きなだけ」と、コーラをはじめ手にした炭酸飲料は何でも口にしていた。
今から5年ほど前に虫歯ができたことに気付いたものの、歯科医から炭酸飲料を飲むことを止めるように言われると思い、また経済的にも歯科に通う余裕がなかったので長い間そのまま放置していた。そうしてマイケルさんの歯はほぼ全てが虫歯でボロボロな状態になり、激しい痛みと強烈な口臭を放つようになった。それ以来、マイケルさんは歯を隠すようにして生活してきたという。
「人とあまり話さないようにしていましたが、口をあまり開けないようにしてモゴモゴと話していました。クリスマスの朝に撮った写真では、家族は幸せそうに写っていましたが私だけ笑顔を見せておらず、幸せなのに全然そうは見えませんでした。虫歯が多ければ多いほど口臭も酷くなります。マウスウォッシュは20分しか持ちません。友人らと出かけても、自分の歯がボロボロで恥ずかしいという気持ちの他に口臭が気になるので、私は離れた所に座るようにしていました。パートナーのリンダと食事に出かけてもすぐに痛みを感じるし、痛みで眠れないこともありました。子供たちが私の歯に気付いてからは、ますます自分の殻に閉じこもるようになってしまっていました。」
それでもマイケルさんは炭酸飲料を飲むのを止めず、痛みを感じるサンドイッチなどの固形物の代わりにスープやヨーグルトなど液状のものなどを摂り、後は炭酸飲料で満腹感を得るという日々を送っていた。
ある日のこと、水球を趣味としているマイケルさんはドロヘダにある水球クラブでデイビッド・マーナガンさんと知り合った。ネイヴァンのBoyne Dental&Implant Clinic(ボイン歯科&インプラント診療所)で歯科医として働くデイビッドさんは、マイケルさんの口腔衛生状態を知って心配した。
「私とマイケルさんは当初、水球仲間というだけで歯のことまで話をするほど私も彼のことをよく知っていませんでした。ですがゴールウェイでの水球試合まで乗り合わせた車の中で、彼が歯のことを口にしたので私はきちんと相談に乗るからクリニックまで来てほしいと伝えたのです。」
デイビッドさんは、マイケルさんの歯が健康に深刻な悪影響を与えていることに気付いた。毎日痛みを抱えながらきちんとした食事を摂ることもできないマイケルさんのことを考慮したデイビッドさんは、