愛する我が子が先立つかもしれないという告知を受けた親の苦悩は想像を絶するものだ。それに加えて父親までもが余命僅かの病を抱えている状態では、「なぜ、自分の家族だけがこのような目に」と思ってしまうのも自然なことであろう。このほど米フロリダ州に住む女性が、自身のFacebookアカウントに投稿したある写真が複数メディアで報じられた。女性の苦悩、悲しみ、葛藤に触れたユーザーらからは「あなたの家族のために祈る」といった声が多数寄せられている。『The Sun』『Mirror』『USA TODAY』などが伝えた。
フロリダ州ペンサコーラ在住のブレイリン・ローホンちゃん(5歳)は、1か月半ほど前まではごく普通の生活を送っていた。ところが昨年12月6日、脳幹部内部に発生する小児腫瘍「びまん性正中グリオーマ(Diffuse Intrinsic Pontine Glioma 以下DIPG)」と診断された。
DIPGは適切な治療法がなく生存率は10%以下とされており、医師の告知を受けたブレイリンちゃんの家族は悲しみのどん底に突き落とされた。しかし家族は、メキシコでの革命的な治験のことを知った。海外で保険の利かない高額なその治療には、1回でおよそ3万ドル(約330万円)の費用がかかり、しかも攻撃性の強いがんであるため複数回にわたる治療が必要とされる。そのために家族は寄付金サイト「GoFundMe」で募金を呼びかけ、やっと1回分の治療費が集まったことに喜びを露わにしていた。
だが、この数日でブレイリンちゃんの容態が急速に悪化した。医師はブレイリンちゃんの腫瘍が出血していることを発見し、いつ息を引き取ってもおかしくない状態であることを告げた。現在のブレイリンちゃんは人工呼吸器を装着し、かろうじて生きているといった状態だ。
これまでブレイリンちゃんの容態をFacebookに投稿してきた母親のアリー・パーカーさんは、1月8日に1枚の写真を公開した。それはアリーさんの父親ショーン・ピーターソンさんが孫のブレイリンちゃんが横たわるベッド脇で号泣している姿だった。ショーンさんは全身の筋肉が徐々に萎縮して運動機能が失われ死に至るという原因不明の神経変性疾患で、末期状態のために話すこともできない。自身が余命僅かとなった状態でありながらも、先月やっと5歳になったばかりの幼い孫に先立たれてしまう悲しみを堪えきれずに涙を溢れさせたのだった。
愛する父との別れが間近にあるだけでなく、かけがえのない娘までをも失ってしまうこの現実を、