現地時間10月1日に発生したラスベガス銃乱射事件を受け、ジェニファー・ロペスが公演の一時的な延期を発表する中、事件後わずか2日というタイミングでステージに立った歌手がいる。カナダが生んだ歌姫セリーヌ・ディオンだ。
セリーヌ・ディオンは現在、ラスベガスの「コロシアム・アット・シーザーズパレス」で長期公演中だが、事件から2日後にあたる10月3日のショーはいつもとは違った様子で幕が開けた。
「みなさんが無事であることを祈っています。ショーを始める前に今日はみなさんにお話があります。こんな風にカーテンの前に立ってただ話をする…こんな形でショーを始めたことは一度もないけれど、今日はだいぶ事情が違うから…。」
静まり返った会場で観客に語りかけたセリーヌは、このように続けている。
「おそらく私たちは、互いに似たようなことを問いかけたと思います。みなさんは“あの悪夢のような事件からまだ2日しか経っていないのに、今日のコンサートには行ってもいいのかしら?”、そして私自身は“コンサートは決行すべきかしら?”ってね。でも、みなさんに知ってもらいたいの。今日こうしてこの場にいるあなたの決断は正しかったということを。」
事件からまだ日が浅い今だからこそ、犠牲になった人々やその家族に対し歌だけでなく愛とサポートを伝えるためにショーの決行を決めたというセリーヌ。犠牲者の家族は感情の面だけでなく経済的にも大きな支援が必要になるだろうとしてショーの収益を寄付することを発表すると、それまで静まり返っていた会場は大きな歓声と拍手に包まれ、観客は一斉に立ち上がってセリーヌへ敬意を表した。