市民が収める税金を虚偽の申告で騙し取りのうのうと生活する者に納税者は怒りを隠せない。このほど英スタフォードシャー州に住む女がおよそ15年もの間、障がい者生活手当を不正受給していたことが発覚し逮捕・起訴され、裁判で有罪判決が下された。『Mirror』『The Sun』『Metro』などが伝えている。
スタフォードシャー州タムワースに暮らす4児の母リンダ・ホーイ(58歳)は、同州キャノックにある車の備品を取り扱う会社で17年間フルタイム勤務をしていた。納税者となるべきであるにもかかわらず、リンダがしていたのは世間と「Department for Work and Pensions(DWP 労働年金省)」を欺くことだった。
「退行性関節炎と酷い腰痛のため頭より上に手があげられず、杖なしではほんの少ししか歩けない。階段も後ろ向きにしか降りられず、着替えをするにも介助が必要」といった申し立てにより、15年にわたり障がい者生活手当65,244ポンド(約980万円)を不正受給し、障がい者用の自動車を使用していたことで15,690ポンド(約240万円)のM6 Toll(有料高速道路)料金を特別免除されていた。しかもその自動車は頻繁に新しいものに変えられていた。
ところが同僚らはリンダが杖をついて歩いているところを見たことがなく、元上司も「健康面で問題を抱えていたことなど全く気付かなかった」と言い、熱い飲み物を持ったまま階段を昇り降りしていたという。また、勤務後にはジム会員として定期的に水泳やバドミントンにも参加していたようだ。
今回の詐欺が発覚したのは、DWPへの密告だった。通報を受けた警察が昨年2月24日に家宅捜査を行ったところ、密告の裏付けとなる証拠を発見した。自営業を辞め妻の介護をしていると申し立てていた夫マイケルさんとリンダは、2012年にエジプトへ、2013年には結婚20周年の記念としてモルディブへ旅行していたのだ。警察はリンダがホリデー先の海でシュノーケリングをしている姿や、ハンモックに揺られながら手を頭の上まで伸ばしてストレッチしている姿を収めた写真、またキューを手に持ち体を曲げてビリヤードをしている写真などを押収し、リンダを逮捕した。