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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】マックに並ぶ建築労働者らを盗撮「学歴がなくて馬鹿そう」とSNSに投稿した女性に批判殺到(英)

15,000人以上のフォロワーを持つインスタグラムのアカウントに、ちょっとしたからかいのつもりで投稿したであろう1枚の写真とメッセージが多くの批判を呼んだ。現在そのアカウントは削除されているが、原因となったイギリス人女性アーティストのニュースを『Mirror』『The Sun』『Metro』ら複数の英メディアが伝えた。

ヘティ・ダグラスさん(25歳)は、ロンドン芸術大学(University of the Arts London)で学ぶためにノッティンガムからサウスロンドンへと移り住み、現在はウエスト・エンドにある洋服店「Supreme」で働きながらインスタグラムやホームページに多くのファンを持つブロガーとしても活躍していた。アーティストとしては世間的には無名であったヘティさんだが、ある投稿がきっかけで全英中にその名を知られることになってしまった。

9月4日、ヘティさんはセントラルロンドンのピカデリー・サーカスにあるマクドナルドのカウンターの前で注文の列に並んでいた3人の労働者風の男性を後ろから盗撮。自身のインスタグラムに、「こいつらGCSE評価最低の“1”しか取ってなさそう」というキャプション入りで投稿した。

GCSE(General Certificate of Secondary Education)とはイギリスの義務教育(5歳~16歳)の終了時に受ける一般中等教育修了試験のことで、一般的に8~10科目を受験し成績評価は1~9のグレードで評価される。9が最高評価となり、レベルの高い大学進学を希望するのであれば有利というわけなのだが、ヘティさんは作業着に身を包む労働者たちを外見で判断し「学歴がなくて、いかにも馬鹿そう」というニュアンスで投稿したのであった。

この投稿がロンドン在住の写真家リー・ハーパーさんのツイッターアカウントでシェアされた。リーさんは、古くから労働者階級の人々が多く住む住宅地エリアだったロンドン南部が現在ではおしゃれな高級住宅地化していることから、そこに住んでいるヘティさんを皮肉り「あなたこそ、甘ったれ金持ちみたいに気取っちゃって。何なのよ」とツイートし、大反響を呼んだ。

リーさんのシェアだけでなく複数のメディアがこの話題を取り上げたことにより、多くの人がヘティさんの投稿を猛烈に批判し「普通に仕事をしているだけの労働者に見えるけど。一生懸命働いて子供や家族を養っているお父さんなんじゃないの?」「僕だってこういう労働者のような靴履いているけど、修士号持っているんですけど。外見と成績の良さは関係ないだろう?」「GCSEを取ってなかったとしてもそれが何だよ。人を偏見で見るなんてお前こそ最低」「盗撮して、この人たちのこと知りもしないくせに侮辱して、人へのリスペクトを全く持たない女だね」「アーティストとか言ってるけど、どうせアンタがバカにしている労働者よりも稼ぎが少ないんだろ?」といった声があがった。

そして、ヘティさんが盗撮した3人の労働者のうちの1人であるウォーレン・バットさん(40歳)は、メディアの取材に対してこのように怒りを露わにした。

「私たちが見下されて勝手にSNSに投稿されたことはとても不快です。何の権利があってこんなふうに私たちを侮辱するのでしょう。『いったい何様!?』という思いですよ。私たちは普通に仕事をしていただけですし、自分自身も13歳の息子を養うために働いているのです。建築現場の足場を組む仕事(scaffolding)をしていますが、私たちのような労働者はGCSEレベルではないと誰が決めたのでしょうか。絵が描けるからといって、彼女が私たちよりも優れているとは限りませんよ。謝罪してもらいたいです。」

ウォーレンさんの母パトリシアさんは「息子は働き者で、孫の面倒を一生懸命見ています。息子は確かにGCSEは取っていませんが、それが何だというのでしょう。息子はきちんと育ってきたしマナーもあります。私は息子のことを誇りに思っています」と話している。

ウォーレンさんと同じく盗撮されたマークさんは、GCSEは取っていないが“scaffolding”のプロとして国家認定制度「全国職業資格(National Vocational Qualification、NVQ)」でスーパーバイザーとして活躍できる職業技能レベルを取得しており、さらにアドバンスレベルを取得するために日々努力をしている。「私たちの仕事は危険を伴うため、高い技術や安全意識が求められます。決して簡単な仕事ではないのに、作業着を見ただけで偏見を持つなんてなんて高飛車な女なんでしょう」と不快感を隠せない。

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