海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】100万人に1人の神経疾患により1日100回以上転倒する2歳女児(米)<動画あり>

歩き始めてしばらく経った我が子がよく転ぶようになった時、「ひょっとしてウチの子はおっちょこちょいなのでは」と思ってしまう親もいるだろう。しかしそこには誤診されがちな病が存在することを米イリノイ州に住む両親が注意喚起している。『Mirror』『Inside Edition』など複数のメディアが伝えた。

2015年4月、イリノイ州ローズモントに暮らすケニー・グロさん(37歳)とテリーザさん(30歳)の間に生まれたケイトちゃんは、1歳の誕生日前に歩くことを覚えた。以降、走ったりジャンプしたりするケイトちゃんは1日数回転ぶことがあったが、まだ歩き方を覚えたばかりだからという気持ちが両親にはあった。ところが1歳半となった昨年10月頃には、数歩踏み出すたびに転倒するようになった。今年1月になる頃には足元がおぼつかず、まっすぐ歩くことが困難になり、5分以内に10回、多い日には1日に100回以上も転ぶようになったという。またこの頃には、手を震わせたり目の動きがおかしくなったりする症状がみられたほか、寝るときによくぐずるようになった。

転ぶたびにテーブルの角で頭を打つなどの怪我をしてはならないからと、一時期のテリーザさんはケイトちゃんにソファでiPadを見せたりして、できるだけ歩かせないようにしていた。頻繁に転倒する娘をどこへ連れ出す気にもならなくなり、買い物に出かけなければならない時にはベビーカーに乗せたり抱っこしたりして外出していたそうだ。

2月にはケイトちゃんの症状は悪化し、立つことはおろかハイハイや座ることさえも転ばずにすることは不可能になってしまった。事態の深刻さから両親は救命救急センターへ駆け込んだ。テリーザさんとケニーさんはこれまでにも娘を病院へ連れて行っていたが、医師からは「耳の感染症かウイルスが原因で体のバランスを欠いているのかも知れない」と診断を受けただけだった。

2月5日、シカゴのルリー子供病院でCTやMRIなどをはじめとする様々な検査をしてもらったケイトちゃんは、100万人に1人の発症率と言われる非常に珍しい神経疾患「オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(Opsoclonus Myoclonus Syndrome、OMS)」であることが判明した。

OMSはがんなどの悪性腫瘍により様々な神経障害が引き起こされると考えられている自己免疫性神経筋疾患の一つで、体のバランスやその調整が困難になると言われている。ケイトちゃんの場合、何が原因でOMSを発症したのかということは不明だそうだ。幸いにもケイトちゃんの脳に腫瘍は見つからなかったが、医師は「深刻な病であることは事実」として化学療法やステロイド治療を試みた。

すると奇跡的にも治療のわずか数日後に、ケイトちゃんはおよそ4か月ぶりとなる最初の一歩を踏み出すことができたという。テリーザさんは「娘の症状がどれほど悪化するのかは想像もつかず、もう二度と歩けなくなるのではと不安でした。でも一歩踏み出すことができた娘を見て涙がこぼれました」と話している。

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