これから増える家族を心待ちにしていたに違いない夫婦。しかし突然の事故で夫が他界するという悲劇に見舞われてしまった。米ペンシルベニア州の女性がこのほど、亡き夫と一緒にマタニティフォトを撮影した。切なくも素敵なその写真に多くの人が胸を打たれたことを米メディア『Inside Edition』が伝えている。
ペンシルベニア州に暮らすアマンダ・スナイダーさんは今年5月、愛する夫のジェシーさんを亡くした。ジェシーさんは木を切る作業をしていた時に、倒れてきた木の下敷きになり帰らぬ人となってしまったのだ。
妊娠8か月だったアマンダさんは、夫を失ったショックでもうすぐ生まれてくる息子のベビーシャワーをする機会もなかったという。しかし生前の夫が「一緒にマタニティフォトを撮ろう」と話していたことを思い出し、「今、撮らないときっと後悔する」と思ったそうだ。アマンダさんは「Shanna Logan Photography(シャンナ・ローガン・フォトグラフィー)」に連絡し「夫の姿を思い出に入れてほしい」と写真撮影を依頼した。
青いドレスに身を包んだアマンダさんの横に、まるでそこに魂がいるかのように妻とお腹の子に寄り添うジェシーさんの姿が映し出された写真が完成し、手にしたアマンダさんは思わず言葉を失ったという。
「涙が溢れました。夫は生きて撮影に参加することはできなかったけれど、魂はきっと存在していたと思います。夫が亡くなる前に、マタニティフォト用にと青いドレスとシャツを買っていたんです。夫は、その青いシャツを着て埋葬されました。」
姿かたちはなくとも、ただそこにいてほしいというアマンダさんの願いは美しい写真となって叶えられた。そして8月2日、アマンダさんは無事に男児を出産しジェシーさんと同じイニシャルで「ジェイムソン=ウィリアム・スナイダー」と名付けられた。アマンダさんは、現在の心境をこう語っている。
「息子がいなければ、私は愛する夫を失ってどうしていいかわからず途方に暮れていたと思います。でも私には息子という贈り物を与えられました。きっと夫も息子が無事に生まれたことを喜んでくれていることでしょう。彼は息子にとって永遠に父親であり続けるし、私にとってもソウルメイトです。」