胎児期や乳児期に珍しくないと言われる「位置的頭蓋変形症(フラットヘッド症候群)」。柔らかい赤ちゃんの頭蓋に圧力が加わると、頭の一部が平坦になったり形がいびつになることからそう呼ばれているが、このほど生後4か月の男児が症状を改善させるために治療ヘルメットの着用を強いられた。そこで家族全員がある行動に出たのだが…。『ABC News』や『USA TODAY』などがなんともほっこりするニュースを伝えている。
米テキサス州サンアントニオに暮らすジョナス・グティエレス君は、4か月健診の時に頭の形がいびつであるため矯正が必要であると医師に告げられた。母のシャイナさん(31歳)によると、ジョナス君の頭は生後急速に成長しており、仰向けで同じ向きのまま長時間眠ることが多いため、深刻な「位置的頭蓋変形症」になってしまったそうだ。
7月26日、病院から戻ってきた弟の姿を見た長女のカミラちゃん(3歳)は、白い治療ヘルメットを被った弟の姿にショックを受ける様子もなく「私もヘルメットある! 私のはピンクなの」と自分の自転車用のヘルメットを取り出し、弟の前で被って見せたという。今回、テックインサイトの取材にシャイナさんはこのように語ってくれた。
「ジョナスはまだ小さいので、姉の行動が理解できなかったのだと思いますが、『一人だけ違う格好で孤独にならなくてもいいんだよ』と言わんばかりの思いやりを見せて、弟の姿が違ってもそれを受け入れた娘をとても嬉しく思いました。」
幼いカミラちゃんに影響されて、「それならば自分たちも」とジョナス君をサポートするためにヘルメットを被ることにした家族の姿を、いとこのシェアさんが自身のツイッターに投稿したところ、大きな反響を呼んだ。後にシャイナさんもこの写真をFacebookに投稿した。そこには夫のギャリーさん(30歳)がヘルメットを被りながら朝食の支度をしている姿があり、テーブルにはヘルメットを被ったジョナス君とカミラちゃんがいる。
3~6か月間ヘルメットを装着しなければならないジョナス君は頭が蒸れて暑いようだが、「テキサスはもともと暑いので」とシャイナさんは笑う。「正直、2人の子育ては大変。でも子供たちがヘルメットを被っていると、カミラがおもちゃを投げたり周りでジャンプしたりした時に起こってしまうかもしれないちょっとした事故も防ぐことができるので、ほんの少し楽なところはありますね」と話している。