2階建バスによる交通事故とあれば、誰もが軽傷で済むはずはないと思うに違いない。しかしこのほど英バークシャー州レディングで奇跡が起こった。後ろから突然2階建バスに追突された男性が、かすり傷と痣のみの軽傷で済んだことに警察や救急隊員も驚きを隠せなかったようだ。英『The Sun』や『Metro』など複数メディアが伝えている。
レディング市内に妻や5歳の娘と暮らすサイモン・スミスさん(53)は6月24日の朝9時頃、とんでもない事故に巻き込まれた。
銀行から出て道路を横切り舗道に脚を踏み入れた瞬間、後ろからコントロールを失った2階建バスがサイモンさんを撥ねたのだ。その衝撃で頭をバスのフロントガラスに激しく打ち付けたサイモンさんは、14メートルほど斜めの舗道に飛ばされた。
その様子は防犯カメラにもはっきりと映っている。サイモンさんは後部から受けた激しい衝撃にもかかわらず、自力で立ち上がり飄々とした様子で「Purple Turtle Pub(パープル・タートルパブ)」へと入って行った。
防犯カメラの映像は拡散され、信じられない光景を見た多くの人はバスに撥ねられた後も余裕でパブに飲みに行ったと思ったようだが、サイモンさんは「安全な場所に避難したかっただけ。周りでそんな風に言われているのは面白いけどね」と話している。
パブに入ったサイモンさんは落ち着いた様子で緊急通報した。しかし駆け付けた救急隊員や警察官らは、サイモンさんが「2階建バスに撥ねられた」と伝えても「バスに撥ねられたのならもっと重傷でこんな所にはいないはずだ」とその言葉をまるで信じなかった。
それもそのはず、サイモンさんは撥ねられた後も自力で立ち上がり、体には数か所の擦り傷と痣ができていただけだった。そのため警察では「バスではなく、破損した建物の残骸で怪我しただけ」と捉えていた。