イスラエル東部・パレスチナ自治区のほぼ中央に位置し、ユダヤ教徒にとって最高の聖地とされるエルサレムの「嘆きの壁」。その広場に現れた若い女性がいきなり全裸になった。俗っぽい話題から最も縁遠い世界でのこの破廉恥な行為には多くの人々が眉をひそめたもようだ。『The Times of Israel』などが伝えた。
若い女性が自ら衣服を次々とはぎとり、全裸となって広場をストリーキング。周囲はショールなどで体を覆うよう説得するが、それに耳を貸すことなく女性専用の祈祷区域から出て男性専用の祈祷区域へ…。そんな話題が伝えられたのはエルサレムの「嘆きの壁」の前の大きな広場であった。ほどなく警備員が取り押さえて警察にその身柄を渡したという。女はエルサレム居住区に暮らす23歳。両親が警察に娘の精神疾患について申し出たこともあり、現在は病院で検査を受けているもようだ。
ここは紀元前20年頃、ユダヤ民族の王であったヘロデが神殿を大きく拡張していったものの西暦70年にローマ帝国により破壊され、人々は少しだけ残った西側の壁(Western Wall)を『嘆きの壁』と呼ぶようになった。キリスト教徒、イスラム教徒にとっても聖地であり、「嘆きの壁事件」が物語る通りユダヤ人とアラブ人の衝突の場で、パレスチナ自治政府もそこを自分たちの首都だと主張するが認められるには至っていない。エルサレムはあくまでも世界三大一神教の共通の聖地として存在している。
ユダヤ教徒は自分たちの誇りのシンボルとされるこの『嘆きの壁』を訪れては祈りを続けるが、そこに黒い大きなハット、ヒゲに漆黒のスーツがトレードマークという「超正統派ユダヤ教徒」の男性たちが集団で訪れ、周囲を圧倒することもしばしばあるようだ。またエルサレムの旧市街とその城壁群はユネスコの定める「世界遺産」に登録されており、イスラム教徒の第三の聖地「神殿の丘」にある黄金の『岩のドーム』は世界から訪れる観光客を惹きつけてやまない。