罪を犯そうとした者を見逃さず捕らえたまでは良かったが、勝手な判断で制裁を下すことは人として許されることではない。このほどブラジルで、自転車を盗もうとした少年を捕らえた25歳と27歳の男2人が「見せしめ」として彼の額にタトゥーを彫り、その動画をアップロードしたことから逮捕された。『Oddity Central』や『The Star Online』などが伝えている。
6月9日の朝、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポで17歳の少年がタトゥー施術者の自宅前にとめてあった自転車を盗もうとしていたところ、タトゥー施術者と近隣住民に見咎められ捕まった。2人が「見せしめのためにコイツにタトゥーを入れてやろう」と言うのを聞いた少年は「お願いだから腕か脚にしてください」と頼んだという。
ところが男らは少年を椅子に座らせ、乱れた筆跡のポルトガル語で「eu sou ladrao e vacilao(私は泥棒で、負け犬です)」という侮辱の言葉を少年の額に彫った。同日にアップロードされ拡散した動画は少年の親族の目に留まり、警察に通報された。親族によると、少年は5月31日から行方がわからなくなっていたようだ。
動画には笑いながら「痛いぞ」と言う男の声も入っており、少年の額を押さえて無理やりタトゥーを彫る場面が収められている。少年はひどく恐怖に怯えている様子がうかがえる。警察は男2人がした行為は「拷問」とし、現在保釈金無しで起訴中だ。逮捕された男らは「少年に盗みを働くとこうなるぞというレッスンをしてやっただけだ」と供述しているという。少年は警察に「ひどく酔っていて自転車に倒れ込んだが盗もうとはしていない」と話し、窃盗容疑に関しては否認している。