「タランチュラ」と聞くだけで、クモ恐怖症の人なら身の毛がよだつはずである。しかしインドネシアに暮らすこの女性は彼らとは正反対で、とにかくタランチュラが大好き。タランチュラはもはや恋人だそうだ。
このほどインドネシアのメディア『metromerauke.com』に大きく取り上げられたのはジャワ島西部のバンドン市に暮らしているMing Cuさんという28歳の女性。2010年に自宅の庭でカラフルで美しいタランチュラを発見して以来その虜となり、インターネットなどで熱心に写真を検索。採集が難しいとわかれば販売業者に注文し、その結果タランチュラ1,500匹に囲まれる生活に至ってしまった。
両親も最初は猛反対していたが、タランチュラに関する書籍をいくつか買って両親を懸命に説得するその情熱に圧倒され、つい首を縦に振ってしまったとのこと。タランチュラを全種類そろえたいと欲を出す彼女は、その購入にこれまでなんと55,000ドル以上をつぎ込んだ。残るはインド原産の「Trigmopoeus psychedelicus」とアフリカ原産の「Harpactira pulchripes」を購入するばかりだという。
彼らの住処は自宅の中でもとても良い部屋で、そこにガラスの瓶やテラリウムを次々と増やしているMingさん。「新鮮な水を十分に与え、健康状態をチェックすることに毎日10時間程度を費やしているわ。繁殖についても、メスがオスを食べてしまうから何度もオスを買うなど最初はとても大変だった。でもすっかり要領はつかんだわ」とのこと。幸いその趣味と情熱はビジネスとしても成功。『spiderloverpetshop.com』というサイトを立ち上げ、2012年からタランチュラの販売をスタートさせている。今ではイギリス、スウェーデン、ドイツ、ポーランドなど海外にも顧客を持ち、彼女が次々と発信する新しい標本は今ではタランチュラ愛好家の注目の的だ。