車椅子生活をしながら英ロンドンや米ロサンゼルスで活躍している女優が、このほどウェールズのカーディフであからさまな差別を受けた。しかし居合わせた人たちは皆、この女性をサポートする行動に出た。感動した女性はこの件をツイッターに投稿、多くの反響を呼んだことを英『Mirror』や『WalesOnline』が伝えている。
14歳の時に水難事故に遭って以来、腰から下が麻痺し車椅子生活を送っていた英女優シャノン・マーレーさん。彼女は5月23日の午後10時半頃、ウェールズで撮影のためカーディフセントラル駅から滞在予定のホテルへ行こうとしてタクシー乗り場に並んでいた。
やって来たタクシーの運転手は、シャノンさんが車椅子利用者だと知ると大声で「車椅子はダメだ!」と繰り返した。シャノンさんは運転手に、車椅子が折りたためることを説明したが、運転手は「ダメだ、トランクに載せることはできない」と主張し、大型タクシーが来るまで待つように指示したのだ。
タクシー乗り場にはシャノンさん以外にもタクシーを待っている人たちが並んでいた。シャノンさんは運転手と公共の場で口論になったことに、恥ずかしい気持ちになったという。やがてその運転手は、シャノンさんの後ろに並んでいたビジネスマン風の男性に「乗って」と声をかけた。だが男性はこのタクシーへの乗車を拒否した。
男性はシャノンさんに起こったことを見ていたため、心無い運転手の車には乗りたくないと伝えた。すると男性の後ろに並んでいた人たちも次から次へとそのタクシーの乗車を拒否したのである。シャノンさんは名前も知らない7~8人がそのタクシーに対してボイコットしてくれたことに深く感動し、自身のツイッターで感謝の気持ちを述べている。
「車椅子生活をしていて差別にあったのは、これが初めてではありません。ですが、見ず知らずの人たちからこれほどのサポートを受けたのは初めてです。私が障がい者であることを知ると、距離を取ったり関わらないようにしようとする人たちもいますが、そんな状況に慣れていました。普段、私はどんなに失礼な態度や言葉を受けても、人生は短いのだからという気持ちであまり気にしないようにしています。差別をする人たちへ抵抗する勇気がない時もあるし、過ちに気付くことさえできない愚かな人たちのために自分の時間を無駄にするのもバカバカしいという時もあります。でも今回、私をあの場でサポートしてくれた人たちのおかげで、私は不快な思いをせずに済みました。あなたたちの親切が私の気持ちを大きく変えてくれたことにとても感謝しています。」