イギリスのグロスターシャー州に、身寄りもなくひっそりと息を引き取った男性がいた。そんな孤独な男性のために、彼が長年働いていたスーパーの元同僚らが一肌脱いだ。
3月26日、グロスターシャー州ストラウドの施設で暮らしていたアンディー・ヒューズさんは、呼吸不全のため55歳という若さで突然この世を去った。
学習障がいを持っていたアンディーさんは、地元の大手スーパーチェーン店「TESCO(テスコ)」で27年間レジ係として勤務し、同僚からも親しまれていたという。
2015年には勤続25年の表彰も受けたアンディーさんは仕事熱心で、少々具合が悪くても休むことなくバスに乗って通勤し、1日4時間の労働に励んでいた。またアンディーさんは、見知らぬ人にでも親切を忘れない温かい心の持ち主でもあり、スーパーが催す慈善活動にも熱心だったそうだ。そんなアンディーさんが突然亡くなったことでショックを隠せない同僚らは、葬儀のためにもなんとかして身内を探し出そうとした。
系図学者に頼んでアンディーさんの身内を探してもらった同僚らは、アンディーさんの最近親である母親が同州のチャルフォードという場所に住んでいたことを突き止めた。しかしその母親は10年前に他界しており、アンディーさんには子供や妻もおらず、他に身内と呼べる親族を見つけることは叶わなかった。
そしてアンディーさんの死を惜しむTESCOスタッフらによって通夜が行われ、5月5日の朝にはアンディーさんの友人を含む多くの人が葬儀に参加した。そのなかには元労働党議員のディヴィッド・ドリュー氏もいたという。人の好さから生前のアンディーさんのことを知る人は多く、地元でも有名だったそうだ。葬儀では親しかった友人らがアンディーさんを偲ぶスピーチをし、追悼を捧げた。