最近では年の差カップルは珍しくもないが、やはり驚かずにはいられないほどの年齢差カップルもいる。おばあちゃんと孫といってもいいほどの年の差が開いた夫婦もアメリカに存在するが、インドネシアにもそれに負けず劣らずの驚愕の年の差カップルがこのほど誕生した。
英紙『Metro』によると昨年、北スラウェシ州で整備士として暮らすソフィアン・ロホ・ダンデルさん(28歳)は間違い電話を受けた。普通なら間違いと分かった時点で早々に切る人がほとんどだろう。ところがソフィアンさんは電話口から聞える女性の声に惹かれてしまい、つい1時間も話し込んでしまったという。
ソフィアンさんはこれまで誰とも交際経験がないため、孤独な生活を過ごしていたのかもしれない。間違い電話の女性相手と様々なことを話すうちに、ますますその見知らぬ相手に心を奪われた。
それからというものその女性とソフィアンさんは電話で互いの距離を縮め、ついに対面することとなった。そしてソフィアンさんがその女性宅を訪れた時、家から現れたのは82歳の女性だったのである。
10年前に夫を亡くしたマーサ・ポツさんは、夫との間に生まれた2人の子供が仕事のために海外に住んでいるということもあり、ひとり寂しく暮らしてきた。ソフィアンさんは電話でマーサさんが年齢を明かさなかったことにショックを受けたが、すでに彼女の人となりに恋をしてしまっていたために、目の前の年老いた女性を見ても自分の気持ちは変わらないと思い直し、すぐに去らずにマーサさんの家で2時間ほど話し込んだそうだ。
向き合って話したことで電話ではわからなかったことをさらに知り、それがソフィアンさんの心を再び動かした。そしてマーサさんに「僕が一生あなたの側にいますよ」とプロポーズし、今年の2月18日に2人は家族に見守られて結婚式を挙げた。マーサさんを知ったきっかけについて、ソフィアンさんはこのように話している。
「1年前、私の携帯電話に(間違い電話が)かかってきたことから全てが始まったんです。マーサは自己紹介をしてとても丁寧に話してくれました。そこに惹かれて私たちは電話で話すことにしたんです。マーサはとても思いやりのあるエネルギッシュな人で、今まで誰ともデートをしたことがなかった私は、あっという間に彼女に恋してしまいました。互いに特別な感情を抱いていると分かってからは、マーサに会うのが待ちきれませんでした。」
しかし保守的社会であるインドネシアでは、年の差54歳というカップルの交際を誰もが喜びサポートするわけではない。両親に紹介するまでソフィアンさんはマーサさんの年齢を隠していたそうだが、マーサさんに出会った時ソフィアンさんの家族も最初は2人の交際に反対した。ところが2人の関係を見ていると愛が感じられ、結局は結婚に同意したという。「まさか息子がおばあちゃんを選ぶなんて思ってもいませんでした」とソフィアンさんの母マグダレーナさん(60歳)は語る。
一方でマーサさんは「私は神に毎日祈っていました。きっと神様がソフィアンを私のもとへ送ってくださったのです」と話している。“恋は盲目”と言うが、そこに確かな愛があるのなら誰にも非難する権利などないのだろう。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)