2009年1月15日、ニューヨーク上空で突如全エンジンが停止した飛行機がハドソン川に不時着、搭乗していた155名全員が生還するという奇跡が起こった。この実話をもとにした映画『ハドソン川の奇跡』(9月24日公開)で、偉業を成したヒーローとなるはずが一転、不時着という選択は正しかったのか疑惑の目を向けられる機長サリーをトム・ハンクスが演じている。
トムは同作でメガホンを取ったクリント・イーストウッド監督について「とにかく彼は偉大な俳優であり監督。彼が監督になってからの作品は目を見張るものがありまして、今世紀の名作5、6本は彼の手によるものだと思います」とイーストウッド監督の功績を絶賛。そして「こういう見方をします」と目を細めてイーストウッド監督がどこかを見詰める真似をして「(一見)脅威を感じますが、これは機嫌がいいときです」と説明して会場をどっと笑わせた。
ともに来日し同作で副機長ジェフを演じたアーロン・エッカート(48)は「撮影初日にハドソン川は雨が降っていましたが、監督は私たちのそばにいて、一瞬たりとも室内に入らずに私たちに指示してくださった」「皆さんと同じように私もトムとイーストウッドさんのファンです。私にとってこの映画は特権でした」と一映画ファンのように感謝した。
会見には実際にこのとき同機に搭乗し、事故に遭った日本人男性2人も出席した。トムとアーロンはこの会見まで搭乗者に日本人がいたことを知らなかったという。トムは「日本人2人に会いましたが、私たちを嫌っていないので良いサインです」とにこやかに安堵。「飾りつけをしない。映画というスクリーンに事実に正確に描かなくてはならない。できるだけノンフィクションにしたい」と実際のサリー機長本人にも撮影に参加してもらい、事実に忠実に演じたというトム。事故機の搭乗者である滝川裕己さんから「中身がすごくリアルで事実が忠実に再現されているなと感じました」と評されて、さらに手ごたえを感じたに違いない。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)