ホスト風とも言われるルックスや、大きな波紋を広げた発言など、数々の伝説で知られる棋士・橋本崇載八段がTVCMに出演した。CMでは対局中に“あり得ない禁じ手”を炸裂させる橋本八段だが、このたび公開されたインタビュー動画では、2015年に周囲を驚かせた「二歩騒動」についても自ら触れている。
“ハッシー”の愛称でも親しまれている橋本崇載八段が出演しているのは、350万ダウンロードを突破した人気スマホRPGゲーム『ワールド・クロス・サーガ』(通称:ワクサガ)のTVCMだ。インタビュー動画ではワクサガと将棋の類似点について「マス目の特性が将棋に相通ずるものがある」と橋本八段が認めており、CMでも“将棋の対局”を“ワクサガの対戦”に見立てて将棋盤の上で橋本八段がゲームさながらの派手な一手を繰り出す。
CMで対局中に将棋盤を前に困り顔の橋本八段。すると突然「今のなし!」と叫びながらクロスチョップで盤上の駒をほとんど払い飛ばしてしまう。これはワクサガの重要な要素「クロスカットイン」を表現したものだ。ほかにも「攻撃力アップ」では橋本八段が打った「歩」の駒がなぜか異常に伸びて相手の駒を払い落とし、「香」の駒からは「毒攻撃」により周りに毒ガスが噴射。このとき橋本八段は防毒マスクを着けるという用意周到さを見せる。さらに「歩」がロケットのように発射して対局相手を吹き飛ばしてしまうという無茶苦茶ぶりだ。
今回のCM出演についてインタビュー動画で橋本八段は「普段こういうガチなお芝居はしないので、いい経験になりました」と撮影を振り返った。橋本八段は現場でスタッフがお願いしていない演技にも積極的で、終始ノリノリだったという。また「今のナシをしたいことはありますか?」と聞かれた橋本八段は「一回、二歩で反則負けしたことがあるんでね」と2015年に『第64回NHK杯テレビ将棋トーナメント』準決勝第2局で、トップ棋士では異例の「二歩反則負け」したことに触れ、「そのときはマジで“今のナシ”にしたかったんですけどね。許してもらえませんでしたね、はい」と過去を悔やんでいた。
ワクサガのキャラクターで「アーサーは私のタイプです」と好みの女性を明かした橋本八段だが、恋愛は「将棋でいうところの一手先も読めないですね」と先読みが得意なはずのトップ棋士であっても苦戦しているようだ。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)