世の中には驚くべきニュースが絶えない。そしてそのたびに思うのは人の常識は個々により異なるということだ。緊急コールセンターに「ホリデーに行くからベビーシッターをお願い」と頼む母親にも驚かされるが、ある男性は「子供の養育費と新居のため」に寄付金サイトを設置。見知らぬ他人からの寄付で家族を養おうとしていることが英各紙で報じられた。
なんとも呆れる寄付金アカウントを開いたのは、英リンカンシャー・スカンソープ在住のライアン・スコットさん(23)だ。彼はこれまで、女性とは長く持っても数週間程度の交際経験しかなく、それ以上親しくなることはなかったという。
そんなライアンさんがニッキー・パドリーさん(24)と知り合ったのは、イギリスで有名な出会い系サイト「Plenty Of Fish」だ。出会い系サイトというと日本では聞こえは悪いが、イギリスではこれらの出会い系サイトからステディなカップルになる確率も高く、結婚して幸せな家庭を築いているという人は少なくない。
そんな出会い系サイトを通じてライアンさんとニッキーさんは恋に落ちた。そして23歳で初体験をしたライアンさんは同時にパパになったのである。
しかし、ライアンさんには1500ポンド(約20万円)の借金があり、親と同居中。そして仕事はリストラにあったばかりという最悪の状況だ。一方でニッキーさんもフルタイムで仕事をしているものの賃金は低く、住居は狭い部屋であるという。
「子供ができたとわかった時、中絶の選択肢はなかった」という2人だが、資金の余裕がないと子育ては大変だ。そこで、ライアンさんが思いついたのが「養育費を募る」ということだった。
「23歳、独身、童貞、赤ちゃんができました…」というふざけたようなタイトルのアカウントを設置し、「子供ができたら、両親揃って子育てをしたいから新しい家だっているし、家族用の車も要るだろう? でも僕たちには余裕がないんだ。だから助けてください」とアカウント内の“プロジェクト目的”にライアンさんは綴った。
「『プロジェクト』というと変に思われるかも知れないけれど、僕にとっては今回の子供を持って育てるということは『プロジェクト』そのものなんだ」と彼は述べているが、ネット上には「なぜ、避妊をしないのか」「お前がまず成長しろ」といった厳しい声も寄せられている。
このニュースを報じた英紙『Metro』も、「成長するということは、物事に対し責任を持つことではないだろうか」と疑問を投げかけている。この言葉がライアンさんに伝わっているかどうかは不明だ。
現在、ライアンさんのアカウントには12ポンド(約1600円)の寄付金額が表示されているが、そのうちの1ポンドはライアンさん自身が払ったものとされている。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)