チップの国、アメリカ。空港を降り立てばチップが発生すると言っても過言ではない。アメリカでは全てのサービスが「有料の労働提供」となるためにチップが発生するのだ。ホテルやレストラン、タクシーなど場所により相場は異なるが、あくまでもチップはサービスを受けた人の心付けではないだろうか。もし、受けたサービスが気に入らなければチップを渡すか渡さないかはその人次第で、わざわざ理由は必要ない。このほど、バージニア州ハリソンバーグのカフェで、あるカップルに給仕をしたウエイトレスに差別的文言が書かれたレシートが渡されたことが物議を醸している。
8月15日、ハリソンバーグのカフェ「Jess’ Lunch」でウエイトレスをしているセイディー・エレッジさんはあるカップルを接客した。その男女は会計を済ませて店から出て行く際に、セイディーさんにレシートを渡す。それを見てセイディーさんはショックを受けた。
カップルから受け取ったレシートには「市民にしかチップは渡しません」というメッセージが書かれてあった。セイディーさんは、メキシコと中央アメリカにあるホンジュラスの混血の祖先を持つが、アメリカ生まれのアメリカ育ちだ。外見のみで「アメリカ国民ではない」と判断したカップルは、差別にあたる文言をレシートに書いて彼女に手渡したのだ。
「最初からなんだか嫌な感じでした」と話すセイディーさん。「彼らは私と目をあわせようとしなかったし、注文を聞いた時もうなずくだけで、話すことをまるで嫌がっているようでした。私は彼らに会ったこともないし、何も悪いことはしていません。とても失礼で侮辱された気分です」と不快感を露わにした。
カフェのオーナー、アンジェリキ・フロロスさん(Angeliki Floros)は、自身が移民としてアメリカに暮らしている。今回の従業員が受けた差別に「差別をする人は臆病者です。彼らが自分たちのしたことに気付くまで、この店には来てほしくありません」とセイディーさんを擁護している。
店内の監視カメラには、セイディーさんにレシートを渡した問題のカップルの姿が映し出されており、米メディア『whsv.com』がその身元を追跡、真偽のほどを確かめるべく取材を申し出た。しかしながら、この件に関してカップルは現在コメントを拒否しているという。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)