海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】輸血感染もわかったジカ熱 米国食品医薬品局「献血センターは徹底検査を」

ウイルスを媒介する蚊に刺されるばかりか、性行為からも感染することがわかっている「ジカ熱」。妊娠中の女性が感染することで、知的障害や発達不全を伴う「小頭症」の赤ちゃんが誕生する可能性が何より恐れられている。その感染地域に米国では初めてフロリダ州のマイアミ界隈が特定されてしまったが、さらに輸血からの感染例があることが判明。米国の献血センターでは新たな取り組みが始まったもようだ。

世界の人々の新たな脅威となっている「ジカ熱感染症」。最近になって輸血を通じた感染例があることが確認されている。これを受けて26日、米国食品医薬品局(FDA)は「ジカウイルスに汚染された血液を輸血したことによる感染例が確認された。予防措置として、これまでと異なり米国の全州および海外領土で献血センターは全血献血、成分献血いずれに対しても高度なウイルス検査によるスクリーニングを徹底してほしい」との通達を出した。

感染した男性の精子においてウイルスが数十日間生き続けることがわかったものの、献血~輸血において感染するという報告は世界的にもこれまでなかった。そのためFDAは、これまでジカウイルス検査の対象となっていたのはフロリダ州マイアミデイド郡、パームビーチ郡、そしてカリブ海のプエルトリコにある献血センターだけであったとしている。

フロリダ州公衆衛生局のセレステ・フィリップ長官は、「ジカウイルスを媒介するといわれるネッタイシマカ(蚊)は米国南部に広く生息している。海外渡航や性行為に関連しない感染例がマイアミのダウンタウン近くで確認されたことをきっかけに、当局では8月上旬からすべての献血血液に対するウイルス検査を行っています」として、安全な輸血を心掛けていることを強調している。

またジカウイルス検査キットの大量入荷が必要となっているフロリダ州では、リック・スコット知事が来月にはワシントンD.C.で米・疾病予防管理センター(CDC)に出向き、現在急ピッチで開発が進められているジカ熱ワクチン、そして検査キットに関して政府が大きな資金を投じて支援するよう強く働き掛けたいとしている。

ちなみに日本の日本赤十字社は、血液を媒介に感染することがあるウイルス感染症ほか多数の疾患を懸念し、海外から帰国した人に関しては帰国日から4週間以内の献血を断っているほか、安全な血液の供給のため献血された血液に対するスクリーニングの精度は非常に高いものであるという。

出典:http://www.fda.gov
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)