久しぶりの帰省で幼馴染を自宅に招き、深夜まで話に夢中になるなどどこにでもある話だが、銃社会ともなればこんなことが容易に起こるようになる。シカゴから悲しい事件の話題が飛び込んできた。母親の誕生日にあわせ11日に実家に戻ったばかりの最愛の息子が…。
イリノイ州シカゴの南に位置するワイトウッドという町で13日深夜、勘違いによるものとみられる射殺事件が起きた。死亡したのはアーシェル・デニスIIIさん(19)。シカゴ市警に勤務する厳格な父を見て育ち、ジャーナリストを目指してニューヨーク市にあるセント・ジョーンズ大学で学んでいた。
現場はアーシェルさんの母親が暮らす家の庭で、近隣住民は「発砲は6回聞こえた」としており、アーシェルさんは胸を撃たれて「Little Company of Mary Hospital」に搬送されたものの、日付が14日に変わって間もなく死亡が確認された。庭で一緒にいた20歳の男性も胸と腕を撃たれて「Christ Medical Center」に運ばれたが容体は深刻である。
「発砲音の後にお母さんが泣きわめく声が聞こえ、こちらも激しく動揺しました」と語る隣人。深夜、2人の若い男が庭に忍び込んだと勘違いして家族内の誰かが発砲した可能性も視野に入れ、市警も発表には慎重を期しているもよう。一方で、現場周辺は静かな住宅街であるが事件の夜、近所でパーティが行われていたためギャングを引き寄せてしまった可能性も否定できないとしている。
近所の誰もがアーシェルさんを「もの静かで礼儀正しい好青年。決してギャングのタイプではなかった」と称えており、今回の帰省においても母親を喜ばせようとサプライズ登場するなど、人を笑わせたり喜ばせたりすることが大好きであったという。
14日の午後3時には、ニューヨークに戻るアーシェルさんを空港に送る予定であったというデニス・ファミリー。彼らは今、この上ない悲しみと苦悩にうちひしがれている。シカゴ市警に勤めるアーシェルさんの父の同僚で長年の友人でもあるエディ・ジョンソン氏は、「父親のアーシェル・チコ・デニス・ジュニアはこの街の安全のために人生を捧げ、精一杯働いてきました。息子さんの将来に大きな期待を寄せていただけに彼の落胆は言葉にならないほどです」と語っている。
出典:http://homicides.suntimes.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)