困っている人がいたら、見知らぬ人にも親切にしてあげよう、助けてあげようと考える人の割合がとても多いアメリカ。このたびはペンシルベニア州からハートウォーミングな話題が飛びこんできた。
バス運転手を引退し、現在は配車サービス「Uber」の運転手として生計を立てているペンシルベニア州在住のエリス・ヒルさん。彼はこの夏、人生最高の贈り物を2人からプレゼントされた。1人は陸上・男子砲丸投げの米代表選手としてリオ五輪出場を果たした息子のダレル・ヒルさん。そしてもう1人はたまたま車に乗せた女性客のリズ・ウィロックさんである。
リズさんを乗せたフィラデルフィアまでの1時間ほどのドライブで、エリスさんは息子のダレルさんを「本当に誇らしい」としきりに自慢した。しかし「あなたは息子さんの雄姿を見に行かないの?」と尋ねるリズさんに、「もちろん応援したいさ。でもまったく金銭的余裕がないんだ」とエリスさんは寂しそうに笑うだけであった。しかもトレーニング施設に缶詰であった息子とは数か月間まったく会っていないという。
(一言でいいから息子に“頑張れ”と言ってあげたいでしょうに、それができないなんてどれほど切ないことか。私がその資金を調達し、旅行を手配してエリスさんを現地に送り込んでみせる。)
そう思ったリズさんは、「ここであなたと私が会ったのも何かの縁だと私は信じているわ。もしも私があなたにリオ行きのチケットをあげたら、あなたは息子さんのもとに駆け付けるわよね? 私は旅行代理店の営業部長をしているの。あなたのリオ行きをなんとしても実現させましょうよ」と言い、連絡先を交換してから下車。その翌日、リズさんはインターネット募金サイトの『GoFundMe』を利用し、彼の渡航費を集めるための募金活動を展開した。
7,500ドル(約76万円)を目標に人々に善意の寄付を呼び掛けたリズさんであったが、わずか2日にして目標金額を達成。お金を寄付してくれた150名以上の人々のほとんどが見ず知らずの人々という事実に、エリスさんは「悲劇的な事件や暴力があふれているこの世の中にもこんなにも親切な人々が存在するのですね。心が温かい感動でいっぱいになりました」と語り、息子のダレルさんもTwitterに「感激の涙が流れました」と綴っている。
エリスさんは今、15日から19日までのブラジル・リオ五輪観戦旅行の準備で忙しい。そんな彼にはと勤務先のUberも、現地で1,000ドルまで無料で使用できるUber使用権と250ドルのギフト券をプレゼントしてくれたという。
出典:http://collegecandy.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)